「心が狂気と共に沈んでいく」ライトハウス コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
心が狂気と共に沈んでいく
観る人間を選ぶ感じ。
内容はどちらかというと、サスペンス&ホラー風味。
A24らしく、また『ウィッチ』ロバート・エガースらしすぎる「考えるな感じろ」系の作り。
デビット・リンチやアリ・アスターなどの影響も感じさせられます。
孤島での2人きりの抑圧された生活で、ベテラン灯台守からパワハラを受け続けた若者の中で育った殺意が、地獄の孤島を作り出す。
トリトンなど神話の海神と、その眷属である人魚や人を襲うカモメなど人外のモンスターが本物なのか、若者が見た幻覚なのかがわからないように曖昧に作られていました。
がっしり重たい内容に、無言で説明の少ない暴力シーンの連続、たまに発せられる激しく強いセリフ。
映画として相当ヘビーで、油断するとコールタールの沼につっこんだように心が沈んでいきます。
地獄の中に人間の面白みを感じられる人には佳作、表面の事象を追いつつハッピーエンドを求めるライトユーザーには駄作という、難解な作品だと思いました。
技法や表現は称賛しますが、作品として面白いかは…正直。
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