「いつまで経っても日本に来る兆しなく輸入盤購入した去年のレビュー転載」ライトハウス とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
いつまで経っても日本に来る兆しなく輸入盤購入した去年のレビュー転載
《光》に魅せられて --- 信頼できない語り手ロバート・パティンソン × ベテラン灯台守ウィレム・デフォー = 演技派二人の狂気じみていく迫真の演技は必見!ロバート・エガースは例えばアリ・アスターのように神話や歴史などに精通しているのだと感じる。本作で彼は前作『ウィッチ』の路線を突き詰めながら、更に役者を過酷な状況に追い込む。そして(そんなジャンルがあるのか分からないが)神経衰弱に参っていく心理ホラーとしての"灯台守"モノ(密室・孤島)を見事に舌を巻く深さで更新してみせる。示唆的で鷲掴みにされるし、ダークに神々しく真から怖い。モノクロの35mmフィルムによるスタンダードサイズより更に正方形に近いような画角。このべらぼうに素晴らしい撮影が、あらゆるメタファーや昔のサイレント映画のような画作りと奥行きを与える。例えば陰影、人の影を用いた力関係などの表し方がいい。灯台の螺旋状になった階段も昔のホラーやサスペンスを想起させる。メタファーとしては本作にはナイフや瓶といった男性器を彷彿とさせるものがたくさん見られるが、そうした点もあり、主人公二人の同性愛的な部分が考えられる。そう見ると二人の主従関係、マウントの取り合いも性行為の代替のように意味合いが変わってくる。終盤の犬にするのなんて露骨に変態的。終盤圧巻。いや、ヤバ過ぎるだろ。
P.S.今までも『ナイトクローラー』や『ナイスガイズ』など1年くらいは待ってきたんだけど
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