「学生恋愛のあるあるが描写された作品」花束みたいな恋をした Atsukoさんの映画レビュー(感想・評価)
学生恋愛のあるあるが描写された作品
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大学生、就活を目前にしている自分には「今」という現実を突きつけられているように感じました。
序盤の絹と麦の運命的な出会いは恋愛における「理想」の部分が描かれていて誰もが憧れるこんなのいいなあ、素敵だなあっていう始まりでした。
就活、就職を機に2人の距離に小さなヒビが入り始めた。一緒にコーヒーを飲みながら歩いた帰り道は別々に、大好きだった漫画、舞台、ゲームも忙しさを理由に共有しなくなっていってしまう。
絹ちゃんが楽しみにしていた舞台の日に麦くんは前乗りの仕事、それに対して「じゃあ」一緒に行こうって言ってしまう。「じゃあ」という一言。この一言の罪深さ。
大学生の頃に見つけた地元のパン屋さんが数年経って潰れてしまった時、絹ちゃんは潰れちゃってた、に対して
麦くんは「駅のパン屋で買えばいいじゃん」の返信。
お互いの気持ちを少し考えることができなくなっていく、思っていた返信とは違う返信に感じるモヤモヤ感。
理想的な出会いから始まったから余計に感じる後半部の現実的なすれ違い。映画中に散りばめられた小さな棘が残って胸が苦しくなりました。
終わり方にモヤモヤ感は残りましたが、恋愛を経験した人にはみんなにおこることだからこその胸の苦しさであるのかなって思いました。
2人はお互いに「好き」を言っていなかった。好きなものの共有はしていても好きはなかったことがこの映画のポイントかなと感じました。
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