「不思議な気持ちになった。」花束みたいな恋をした エクさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な気持ちになった。
映画館を出て、不思議な気持ちになった。
どこかうらさびしいような、きつねにつままれたような…。
ふたりの出会いは飾りっ気なく魂が出会うようで観ていてドキドキした。
共通点の多いふたりが意気投合するだけじゃなく、相手の気持ちを細やかに慮りながら一緒になっていく描写はほんとうに美しかった。
なのに、ラストに向かってホラー化する(笑)
相手のことをどんどん受け入れられなくなっていく。
相手の変化、自分の変化も受け入れなくなっていく。
別れをごくごく簡単に選ぶ。
自分も若い頃、こんな別れがあったような気がしてきた。
軽い。別れが、耐えられないほど軽い。
傷が大きくなる前に、戻れなくなる前に別れた、というべきか。
賢い選択なのか、人間的な成長を放棄したというべきなのか。
不思議な後味はどうもそのあたりのようだ。
坂元裕二脚本。なんとなく納得した。
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