「⭐︎10.0」HYDRA U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
⭐︎10.0
別次元、新次元…?
既存のアクションの枠組みをぶち破ってる。
表題の⭐︎の数はアクションに対してだ。
無言のままの応酬。
まるで手など決まってないかのようなスピードで拳が交差していく。なのだが、手は決まっていて役者はあのスピードで、その手をなぞっていく。
異次元に見える。
覚えてるだけじゃ反応できないような反射的な速度はそこにはあって…分量こそ多くはないものの、値千金!
このアクションを見るだけに劇場に足を運んでもお釣りがくると思われる。
今作はDVDで鑑賞し、どうにもモニター的な画質に馴染めず、映画館に見に行けなかった事を悔やみはしたのだけど、DVDだからこそ楽しめる要素もあって…メーキングもそうなのだけど、監督のインタビューが珠玉。アレを聞いた上で、今作のアクションを思い返した日にゃ鳥肌もたつ。
理想を掲げるのは間違いではない。
だが、その大半が未達成のままで終わる。
だが、園村監督はやり遂げた。
当初掲げたコンセプトと理想をぶらす事なく、自身の世界観を具現化させた。
それを体現した役者陣も見事。
途中、三元vs園村があったけど素晴らしい…。
監督自身の肌の露出が多かったからなのか、どんな理由があったのかは分からんのだが、しっかりとアクションを認識できる。
どういう攻防が、その一瞬で起こったのか。
速い!だけではなかったのだ…。
流石にアクションにおいては、他の追随を許さないどころか…追っかけようがないように思う。
「殴り方を忘れてもらう」
…とんでもないオーダーだよ。
それをやってのけた役者陣達にも驚きだよ。
考えついたとしても、どうやれば到達できるかの順路を進める人間はいないと思う。
偉業、と呼んでいいのかもしれない。
監督のやりたい事がどんどん出来るような環境が、日本映画界に作られていく事を切に祈る。