「ダンスに酔いしれる人々に憧れる」ダンサー そして私たちは踊った 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
ダンスに酔いしれる人々に憧れる
ジョージアという国の位置も知らなかったし
アメリカのジョージア州かとも思った
人口約400万 平均月収10万
そんな国にもゲイバーが!
そこにたむろすることが危険だ!という認識にもビックリ
ジョージア舞踏なるものの存在さえ知らなかった
男らしさを表現する舞踏?
情熱的で躍動感は凄いけれど、男らしいかどうかは微妙に感じた
同じく情熱的なフラメンコは性別を問わない踊りだしね
ジョージアでは、3日間のプレミア上映の5,000枚のチケットが13分で完売
対してジョージア正教会は、同性同士の恋愛を描いた本作に対して上映中止を求め
右翼部隊は、抗議して映画館前でデモ行為 えっーーー?!
さらに主演のメラブ(レヴァン・ゲルバヒアニ)が
この映画に出演することで
「僕たち火炙りにされるんじゃ」と心配する程の保守的な社会だったとは
その日暮らしを送る大勢のジョージア人
莫大な富を握る1人が、国全体を所有しているような非常に貧しい国
ダンスの振付師の名前は、エンドロールでも伏せられていたとか
名前を明かすことで職を失い、一部のジョージア人から脅されてしまうなんて
どこまで封建的な古い国なのだろう
そんな中でも、庶民はダンスを楽しみ、力強く人生を生き抜いている
インタビューで「ジョージアへのラブレターだ」と監督
そんな現在のジョージアのリアル(貧困とダンス文化と保守)を
世界中に見て欲しかったのかな
世界でも評価されたことで、ラブレターは拡散された
結婚式の様子は、日本のそれと違っていて、
自然で形式張っていなくて「アットフォーム」
思い思いのままに踊る人々を見ていると、ダンスが生活に根付いていることを実感
日本のダンスと言えば、盆踊り、ソーラン節、阿波踊り・・・
恥ずかしがり屋の日本人が1人で踊る文化なんてごくごく一部
彼等が日本の踊りを見てどう思うのだろうか
映画の中で流れる曲が様々で、エキゾチックで素敵でした
アニメを見て日本に恋をしたという監督
メラブの部屋にも『千と千尋の神隠し』のポスターが飾ってあった!!!!
喧嘩っ早く、むこうみずな生き方が、結局更に自分を追い詰める様は痛々しい
迫害を受けてる同性愛者が、あんな場所で××しちゃうのも無防備だし
審査中に「止めろ」と言われても踊り続ける行為もむちゃ
最終的に審査で合格するという落ちかと思ったけれど、終わっちゃった
言葉ではなく、ダンスによるイラクリへの愛情表現なのだとしたら
こっそり彼が見ていて涙するというシーンがあってもよかったが
きっと、旧習に縛られず(俺は俺の道を行くぞ!)という宣伝だったのだろう