劇場公開日 2019年11月29日

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「腐ってるな!イギリス」ロンドン・バーニング kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0腐ってるな!イギリス

2020年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 警察の汚職を扱った作品は数多くあれど、アメリカとは違い、警察しか頼る術がないところに警察全てが汚職にまみれていたという恐怖。実話を基にしたと謳ってはいるがどこまで真実なのだろうか。内部調査班の姿が見えてこないのも不気味だ・・・

 出所したばかりのボクサー、リアム・マクドナーの目線と、正義のために重い腰をあげた雰囲気のベケット刑事が中心となり、警察腐敗の告発者“影の軍団”と記者ナヤンが事実関係を後押しする。時代設定はオリンピック後の話なのに、ITハイテク技術がまったく使われてない不自然さや展開が早すぎるという難点もあるが、見ている側とすれば市民の無力さに愕然としてしまう内容でもある。

 オリンピックの会場誘致のための不動産利権。ティモシー・スポール演ずるカレンという親玉は麻薬密売、殺人をも厭わない悪徳不動産王だが、この不気味さ、憎たらしさは何だろう。記者を殴ったこと以外、自分ではほとんど手を下さないし、手下たちが確実に後処理を行う結束力も凄い。

 今の日本のオリンピック利権を考えるにしても、なにか裏がありそうなのに、報道は全くされていない。現在は暴力ではなく、インターネットの力に頼っている時代。よほどのことがないと、腐敗した構造は明らかにされないのかもしれません・・・あぁ。

kossy