MONOS 猿と呼ばれし者たちのレビュー・感想・評価
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う〜んとしか言いようがない。
レビュー評価は高いようだが、私にはそれほど高評価を与えるほどの作品とは思われなかった。 期待して観たが、思惑が外れた。 ゲリラ兵として育てられた少年少女達の仲間割れを描いた作品だ。15歳から17歳位の子供を教育しても適正な判断など期待する方が無理だろう。 その恐ろしさを訴える映画だと思うが、それほど衝撃を受けなかった。考えてみれば、戦前の日本は国家をあげて男子を兵士を育てあげていたからだ。 陸軍幼年学校への入学は、超エリートコースだった。現在の開成・灘とは比較にならないほどだったのだから。
地獄の黙示録オマージュ
多分、現在も同様な部隊はあるのであろう。 時に子供らしい表情を見せることがあるも、淡々と任務をこなす若者たち。 異形のメッセンジャーと呼ばれる上官の不気味さ、川の流れ、ガソリン様のメイク、端々に地獄の黙示録感があり、不気味(これ、褒め言葉)な映画でした。
過酷で苛烈な感じが出まくってます
刺激的な内容と絵でかなり引きつけられましたが、過剰なくらいのよごれっぷりに時として目を背けたくなるところもちらほら─。 コントラストと色彩が際だつ中で映し出される大自然や火花は一瞬美しいと思うけれど、それも悉く恐怖とか畏怖という思いに変わってしまった。 正直、具体的内容とか細かな背景などは見えてきませんが、作品の主張は明確に伝わってくるので、見ているだけで気持ちが病んでしまいそうになりました。 それにしても撮影は大変だったんでしょうねぇ。つらさがもろ伝わってくるような作品ってどうなんだろう、とか余計なことまで考えてしまいました。
【示唆するもの】
重油を塗りたくったような表情は、「地獄の黙示録」を彷彿とさせる。 「蠅の王」や「闇の奥」を思い出すというという人もいて、確かに、「地獄の黙示録」は「闇の奥」にインスパイアされた作品だったことを思い出した。 (以下ネタバレ) 作品の登場人物たち、8人の少年少女の兵士と人質のアメリカ人女性ドクターは、二つの場所を移動するが、スペイン語と、高地とジャングルから考えると、南米アンデス山脈とアマゾンのジャングルを抱える国なのだと想像できる。 人質を監視しながら規律を求められるなか、少年少女の兵士には自由恋愛などなく、セックスにもメッセンジャーと呼ばれる上官の許可が必要と思われる場面がある。 下の兵士の誤射で死んでしまった乳牛と、責任の重さに苛まれて自殺するリーダー。 セックスどころか上官の前での発言にも許可が必要な規律とは、こういうものなのだろうか。 責任感に乏しい下の兵士。規律も実は一時的に順守しているだけという意識なのだ。 リーダー不在のなかでもともとあった規律は乱れていき、新たなリーダーは独自の解釈で、別の規律を構築していく。 告げ口は許さない。 脱走もご法度。 人質の脱走で、一気に乱れ始める規律は、なりたてのリーダーのやり方への不満にもつながり、告げ口や脱走も誘発し、悲劇への道を辿るのだ。 この作品では、少年少女の兵士を主要な登場人物としているが、十分な教育を受けず、兵士としての訓練や規律重視の生活だけを経ているのであれば、大人になっても、この子供たちのように短絡的で、普遍的な価値など見出すことなく、場当たり的な行動をとるだけなのではないのかと考えさせられる。 実は、一時的に大規模な集団を構成しても、ちょっとしたことをきっかけに分裂・対立するゲリラやテロ組織、そのものを見せているのではないのか。 少年少女兵が実際の問題であることは間違いないが、少年少女兵は象徴的に使われたメタファーのようなものではないかと思ったりした。 国際社会は、こうした人ともやり取りしなくてはならないのだ。 結構、見入ってしまう作品だった。
スマホも、コンビニもない10代のソルジャー!
スマホはない、銃はある。 コンビニはない、牛がいる。 過酷な山岳地帯を警備する 少年少女ってどういう子だろうと、 あまり理解出来ないまま観に行きました。 アメリカ人博士を人質にしているもう序盤から ドキュメンタリーを観ている気分になり、 いま、この世で起きている悲劇を目の当たりにしているようで、悲しく、怖く、苦しかったです。 演技が初めての子役もいて、 より生々しい雰囲気でした。 自然の美しさと、子どもたちの悲劇の コントラストが冴え渡っていて もどかしい気持ちにもなりました。 世界は広いのか、狭くなったのか わからないけれど、勉強できる平和とか ご飯がある幸せとか、当たり前のことを 見つめなおしたり、世界で起きていることを 他人事にしちゃいけないんだろうなぁと 思うきっかけになりました。 日本の高校生とか全員学校とかで 観たらいいんじゃないかな。 無料にするとか。
見えない敵と戦うという緊張感と滑稽さがあるのかと思っていたが、秩序...
見えない敵と戦うという緊張感と滑稽さがあるのかと思っていたが、秩序もなく乱れてますます野生化して行った彼らに惹きつけられる事もなかった。 見えない敵と戦う点で最近観たONODAを思い出したが、任務遂行だけを全うした筋が通った見所のある作品だったとあらためて思った。
山岳ベース
険しい環境下で見えない敵との闘争を強いられた子供たち 広大にして深遠な山の遠景 安全性の配慮が不可能に見える濁流シーン 目を見張る映像の数々 ストーリーテリングを極力排し観客の想像力に委ねる
リーダーには説得力が必要
コロンビア山岳地帯で人質のアメリカ人女性を監視する任務に当たる少年少女8人組のゲリラMONOSの話。 メッセンジャーと呼ばれる監督者がいなくなり、ハメを外してパーティーをする中、銃を乱射して借り物の牛を殺してしまい、リーダーが死んだたことでチームが崩れて行くストーリー。 隠密行動のゲリラなのに大騒ぎをしたりみんなで遊んだりという目立つ行動や、油断や詰めの甘さは子供たる所以ということですね。 そして油断は子供であるMONOSと接する博士やメッセンジャーにも言えること…。 口裏を合わせるのは仲間意識か恐怖か何も考えていないのかという中で、崩れて行く関係性や、ストーリーは語るよりみせるものとも言わんともばかりに展開していく感じは良かったけれど…。 主役はランボー? そう思って観ていたのなら何とか納得も行くかも知れないけれど、イマイチ締まらなかった。
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