劇場公開日 2020年6月19日

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「【”会えなくても、一人じゃない・・” ”各曜日人”の生き方を、ファンタジックな映像と、少しの恋愛を絡ませて描き出した静謐で美しい雰囲気を纏った作品。】」水曜日が消えた NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”会えなくても、一人じゃない・・” ”各曜日人”の生き方を、ファンタジックな映像と、少しの恋愛を絡ませて描き出した静謐で美しい雰囲気を纏った作品。】

2020年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

■多重人格をテーマにした近作で覚えているのは、
 ・「スプリット」:23人格+1超人格をジェームズ・マカヴォイが怪演した。
 ・「ジョナサン」:12時間ごとに人格が入れ替わる男を、アンセル・エルゴートが淡々と演じた・・ -今作の”火曜日”と”月曜日”の関係に似ている・・。- 作品である。

 ・今作は、7人格を中村倫也さんが演じているが、主には”火曜日”の日常が描かれ、そこに徐々に”月曜日”と少しシャカシャカ”水曜日”(でも、火曜日何だよな・・)が介入してくる設定なので、(ラストの一連のシーンを除いて)、2人格を描いた作品として観ていた。

・下記、一部内容に触れています。
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■今作で印象的だった事
 ・”僕”が住む家、診察に通うラボのようなところ、図書館・・。
 舞台は、近未来なのか、現代なのかはっきりとは分からないが、静謐感の漂わせ方、及び透明感ある映像の美しさ。
ー何となく、静やかな海外SF作品の趣がある・・。-

 ・随所で挟み込まれる、”幼き僕”が交通事故に遭った際のアスファルトに横たわる”僕の目”がクローズアップされ、その後、道に転がるサイドミラーにカメラがフォーカスされ、映し出される飛翔する鳥の姿。
 煌めきながら宙に舞う、色彩鮮やかな破片・・。
 が、徐々に”あるシーン”だけが微妙に違っている事に気づかされる。
ー”僕”の人格数の変化とのシンクロニシティと、勝手に考える。ー

 ・私の中で、中村倫也さんのイメージに近いのは”火曜日”だが、後半の”月曜日”の演じ方及びその後の”各曜日”の中村さんの演じ分け方。
―演技の幅が、広いなあ・・。元々、中性的な俳優さんだから、女装も違和感ない。お肌がきれいだからなのかしら・・。-

<”僕”が最後に選択した”夫々の僕の生き方を尊重する”シーンは、
 ”多重人格者を描いた物語”の今までにない、決着の付け方である。
 ”火曜日”と心優しき一ノ瀬さん(石橋菜津美さん:素敵な女優さんであるなあ・・)、”水曜日”と図書館の司書さん(深川麻衣さん)との恋愛の絡め方も、上手いなあ・・。と思った作品。>

■中村倫也さんを初めてキチンと拝見したのは「京都人の密かな愉しみ 夏」のオムニバスドラマ”木屋町 珈琲夢譚”であった。由緒ある茶道家の、柔らかな京都弁を話す跡取り息子を演じておられた。(当時から、映画にも出演されていたが、未だ端役が多かった・・。)

今や、映画の堂々たる主役を張る、演者になられたのだなあ・・。

NOBU
Bacchusさんのコメント
2021年4月5日

1度だけなので、良く頂く方には毎回ではございませんが…ってことですかね?

Bacchus