「ありきたりな事件にポリコレが入り込んで薄味になったブラナーポワロ第二作」ナイル殺人事件 mokusin takataniさんの映画レビュー(感想・評価)
ありきたりな事件にポリコレが入り込んで薄味になったブラナーポワロ第二作
異国の美しい情景と優雅な豪華列車、そこで起きる奇妙な殺人、そして正義とは 罪悪とは何かを考えさせる結末、まぁミステリー映画なのに推理らしい推理は イマイチしてないが、これの前に観た【最後のジェダイ】があまりにも"アレ"な事もあって前作【オリエント急行殺人事件】は大いに楽しく観た、ただ今回のはがっかり。
本作はエジプト観光名所を巡る豪華客船内を舞台にした連続殺人事件をポアロが究明する内容なのだが、船の外輪に巻き込まれグルグルと回っている死体にゾッとさせられた以外まったく話が頭に残らない、おまけに前作にあった惹き込まれる異国の情景も今回はエジプトの砂漠とナイル川しか出ないので地味。アクション面は冒頭の戦争シーンで中々に迫力のあるのを見せてくれるがそれ以外はポワロが船の中を走り回ってるくらい。
事件の犯人もまぁそうだわな止まり、さらに事件解決のために乗客へ事情聴取するがやれ黒人差別だやれ同性愛だと本件に関わりのない、いわゆるポリコレ要素が前作以上に(前作も黒人の医者が出演していた)押し出され、問題提起するだけして空気が重くなるとハプニングが起きてうやむやにし次へ---な展開ばかりの構成には正直げんなり、また前作から感じてたポアロの攻撃的な聴取は更に強まっていてもはや名探偵というよりヤクザ、それで恫喝めいた聴取の最中で友人が死ぬから間抜けでしかない。
あとポアロの髭にまつわる話、第一次世界大戦での戦闘で顔に大きな傷がつき、まだ存命だった恋人のアドバイスを受けてあのインパクト抜群の髭を生やし始めたと判明する。
最初は成程なぁと思ったがこの髭はラストであろうことか剃り落としてしまい、理由が思い当たらず困惑した。恋人との思い出の髭だから剃れないとかなんとか言ってたのに何で剃った?まさかあの人に惚れたから剃ったのか?そんな惚れる所あったか?とイマイチ納得しがたい。
以上、髭を剃ったからもう続編出さないのかと思いきや3作目もある話が浮上しておりポワロ=髭のイメージが強いキャラからまた生やすのだろうか---ますます剃った意味が分からんが次回作は先駆者の感想を吟味してから見に行くと思う。