劇場公開日 2020年12月11日

Awayのレビュー・感想・評価

全56件中、1~20件目を表示

4.0この手探り感と疾走感がクセになる

2020年12月27日
PCから投稿

彼に何が起こったのかはまるで分からない。パラシュートにぶら下がった位置から始まるこの物語は、得体の知れない島で、一つ一つの手がかりと足場を確かめながら目的地を目指す奇妙なものだ。ある意味、ロールプレイング・ゲームのようであり、同時に生死の境目で魂が彷徨っているかのような気持ちにさせる。はたまた、深層心理における心の浄化作用を詩的かつ寓話的に紡ぎあげた物語としても受け止めうるのかも。そこに現れる、宮崎アニメのデイダラボッチやカオナシを思わせる黒い影は一体何なのか。この存在について説明や理由づけが一切ないところが潔い。セリフを排することで想像力はかえって刺激され、主人公の一挙手一投足や影に追われる感覚さえもがリアルに入り込んでくる。ラトビア人のクリエイターがほぼ一人で作り上げたというこの世界。彼と私たちが、言葉や文化を超えて”感覚”によって繋がりあっていることにひたすら感動を覚える一作だった。

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牛津厚信

4.5難解な作品

2025年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

非常に抽象的かつ象徴的な作品
ストーリーはあるものの、その意味しているものを解釈するのは難解だ。
言葉はなく、音楽だけが漂っている。
ヒントはこの「Away」というタイトルに込められているのだろう。
Awayにある意味は様々だが、「離れて」とか「どこかへ行く」という物理的な意味よりも、「旅立ち」や「逃避」、または「再生」を意味しているように感じる。
冒頭、主人公の少年はパラシュートが木に引っ掛かっているシーンから登場する。
気が付くと巨人というのか巨大な獣人のようなものに捕まって食べられてしまいそうになるが、それをすり抜けて逃げる。
追う巨人だが、丸い輪の中にある世界の前で動かなくなってしまう。
この場所は「聖地」なのだろうか?
難し過ぎてレビューがあらすじになってしまう。
さて、
飛行機の墜落 命からがら脱出した少年 しかし仲間の多くが墜落死したのだろう。
仲間の霊のようなものと巨人の姿が非常によく似ていることから、巨人とは少年の中に巣食う「恐怖」や「不安」の象徴なのだろう。
そして巨人は動物たちの命を吸い取る。
命を吸い取られた動物は眠るように死んでいく。
また、
この島は少年らの知らない異国であり、少年がいた場所との相違があるのは間違いないが、リュックと中の道具、バイクがあるので、この世界は少年の内面を表現しているとも受け取れる。
飛行機事故と脱出は少年の現実だと思われるが、その出来事を含めて少年はその現実から「逃避」したいと考えていたのだろう。
しかし「現実」とは、少年の妄想、または夢の中にさえも巨人という姿を変えて登場してきた。
チャプター1「禁断のオアシス」
巨人が侵入できない場所であり聖地のようなところ
そこが「禁断」であるのは、そここそがどこにも通じない場所であり、少年の逃避現実がある場所だろうか。
水も食べ物もあるし居心地がいい場所だ。
しかし、地図には人々の住む街と船が記載されている。
誰もいないこの場所にいつまでとどまっていることができるだろう?
意を決した脱出
その先にあるのは巨人という一生付きまとってくる恐怖や不安
逃げても逃げても追いかけ続けてくる。
そこは少年の現実世界ではない場所であるにもかかわらず、同じような恐怖は存在した。
選択のすべては少年にある。
チャプター2「鏡の湖」
鏡が映し出すのは自分の姿であり、それこそ自分自身の心ということだろうか?
巨人を倒すために大きな石を転がして木の橋を壊したものの、巨人は地の底から這いあがってくる。
この不安とか恐怖とかからは絶対に逃げることなどできないのだろう。
チャプター3「眠りの井戸」
井戸の水を飲んで眠る猫の大群
現実逃避の象徴だろうか?
そのまま現実という恐怖によって死んでしまう選択肢もある。
何もせず、ただ死を待つという選択肢もあるだろう。
チャプター4「霧の入り江」
少年は雪山の登頂付近で力尽きた。
巨人に襲われ、死に取り込まれた。
それを救った黄色い鳥
ヒナだった鳥は少年に命を救われた。
人は皆不安や恐怖に勝てるのだろう。
一度勝てば同じ恐怖や不安は無意味になるのだろう。
あのリクガメは何だろうか?
カメとしてゆっくり歩くが、そこにある確かな目的
家族を探す旅だったのだろうか?
少年は雪崩に巻き込まれるかそれとも決死のダイブをするのか試される。
最後は勇気だろうか?
最後にようやくたどり着いた街
そこに感じる安堵
逃避してきた人生に立ち向かったことで得られた何か。
Awayとは、苦しみや困難から「離れる」こと、つまり再出発の意味があるのだろうか?
象徴的で解釈が難しい作品だが、普遍的な概念を描いているのだろう。

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R41

5.0「ラトビアの秀作」

2025年4月17日
iPhoneアプリから投稿

楽しい

興奮

幸せ

今年97本目。

2020年12月公開の映画。新宿武蔵野館で。今日が最終日ラッキーでした。セリフがなしでこんな面白いアニメ作れるんだ驚きました。セリフがないと絵とストーリーに集中する感じが好きです。75分で4章に分かれて非常に見易かったです。

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ヨッシー

3.5flowからのaway ラトビア ブルーの世界

2025年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

ギンツさん25才の作品「away 」リバイバル上映、武蔵野館。

今上映中の映画 商業評判は別にして、ここでのホントの評価の高いもの選んでみた。

flowと世界感共通してる 人類の終焉の世界、awayの作成が先と。

flowはエンドロールの後 干上がったクジラが押しよせる水で息かえし、

海でジャンプしてた、希望があった。

awayは やっとの思いで 黒い影から 逃げたのに、そこにはやっぱり白い影がウヨウヨ待っていた、っていう

死からの回避、生存への新たな恐怖、外の世界にでる時のある意味オタクのギンツさんの恐怖が投影されてると感じた。

awayは20代のオタッキーな若者の持つ未来への潜在的な恐怖を描いており、

flowはそこから脱却した後の まだ大人になりきってない、無垢でありながら

大人の残酷性と 次に待ち受ける「生命の未来」への期待がある。

きっとギンツさんにも社会活動や、カノジョでもできたのでしょう、
意識の変化があったんですね。。

タイトルは きっと 「away 」長い長い時間をかけた孤独な作業の中、

どこかに、 解き 放れたかったから、でしょう。

そして未来の成功も確信しながら

称賛と評価という待ち受ける 潜在的恐怖を 白い巨人で表したのでしょう。

言葉として「flow away」うまく関連付けたと思います。

新宿武蔵野館 時代劇「陽が落ちる」の直前に観ました。

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しま

3.5謎の巨人がいる世界

2025年4月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 カメラワークが抜群に良いです。大画面で迫力を楽しむことができます。アクションゲームをプレイしているような感覚があります。

 骸骨の絵が 陰影があって見応えがありました。動物の動きもリアルで良かったです。バイクで走行中の背景が 素晴らしいと思いました。巨人は何だったのか、結局わかりませんでした。

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Don-chan

4.0シンプル 愛 生と死

2025年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

少年は死霊のような怪物に追われながら人の住む地を目指す。こう書けばシンプルだがそこには”生と死””愛”ハラハラドキドキの展開が詰まっている傑作です、自然描写の画もすばらしい。ピヨ坊も(勝手に命名)いい仕事している。
 巨人の描き方やバイクの動きはかなり日本のアニメーションの影響を受けてることがうかがえますが、監督の熱意伝わる個性的な作品です(次作”Flow”[日本作品名]より好きです)

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syouganeko

3.5美しい作品

2025年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

監督が一人で3年半かけて作成したとのこと。
Flowにも通じる少し不思議な世界感。
井戸の話で登場した黒ネコがFlowでは主人公になったんですね。
鏡の湖を白い鳥が飛ぶシーン、星空のシーンはとても美しく印象的。

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koji

4.0ひよこを目指すよ

2025年4月5日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

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弁明発射記録

4.0まるでゲド戦記、影との戦い

2025年4月3日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

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加藤プリン

3.0深く考えた方がいいのか、その必要はないのか迷う

2025年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

Flowは面白かったのだけど、こちらはよくわからなかった。
鳥の声はかわいかった。バイクは格好良かった。
なんだかんだで最後まで見ていた。

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jfs2019

5.0その先に何があるのか

2025年3月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

こちらも『Flow』同様にセリフはなし。飛行機が墜落して1人だけ生き残ったことは分かる。だけど事故なのか、あの巨神兵の仕業かは分からない。

ずっとついてくる巨神兵、なんだかんだ旅を引っ張る黄色い鳥と、サポート役の白い鳥。それぞれが何を意味するか分からないけれど、『Flow』と同じく生きている人の気配がない、夢か現実かも分からない世界を旅する青年。なんとなく監督の死生観ってこういうものなのかもなぁと思った。
その後の彼は木彫り工房で猫と暮らしました、なんてことを妄想。

『Flow』に比べるとやはり、個々のキャラクターの作画に拙さは否めないけれど、それでも景色の描写は美しい。特に鏡の湖はとても綺麗だし、湖と白い鳥の大群は素晴らしいコントラスト。
同じく1人で作った『JUNK HEAD』は7年かかってるから、やはり相当な作業量なのだろう。どちらもよく1人で作り上げたものだと感心。

1人で作っているから、当然ながらエンドクレジットは短い。

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コビトカバ

2.0頭で考えず心で感じる

2025年3月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

なんとなく気になってたので観てみたら
頭で考えてしまって全く意味が分からず、
伝わってくる物もなかった。
主人公の表情も乏しく、
温度も暖かいところがあったり寒いところがあるのだけどそれを全く感じず、感情移入出来ないので、
どう観たら良いのかが分からなかった。

ロードムービーは好きで、
自然は自分の心を映し出すものだと思ってるので、
今作も不時着した主人公の冒険というより、
どこかの国のどこかの青年の心の旅、心の成長であり
追ってくる巨人は恐怖や不安で、
小鳥はもう1人の自分で…
と考えながら観てたけど、
そうやって考えて観る事自体が間違ってるのかな?
と思いました。

非常に難しい。

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奥嶋ひろまさ

4.0穏やかだが、どこか死の気配を感じさせる世界観に引き込まれる一作

2025年3月27日
PCから投稿

第97回アカデミー賞において長編アニメーション賞を受賞した『Flow』(2024)の監督、ギンツ・ジルバロディス監督が2019年に発表した作品。

本作は単体でも十分映像作品として感銘を受けることは間違いないのですが、現行ではジルバロディス監督の作品はこの二作しか鑑賞できないことを踏まえると、『Flow』の予習としても、または鑑賞後にさらにジルバロディス監督の世界観を理解する上でも、大変貴重な作品といえます。

ほとんど台詞がない作劇、ファンタジックかつ不思議な美しさに満ちた世界観など、本作からは様々なアニメーション作品の影響を見出すことができるんだけど、監督が意識しているかどうかは別にして、『風ノ旅人』や『Sky』といったアドベンチャーゲームも想起させるものがあります。

ふとしたことで世界に迷い込んできた主人公が様々な手がかりを解き明かして(インタラクトして)世界の謎の一端に触れていく、という物語の筋立てなど、類似点はさまざまに挙げることができますが、どこか「死」の雰囲気を漂わせている点に、とりわけ強い共通項を感じました。

これだけ確立した世界観とそれを表現する確固たる技術に裏付けされた映像を、ほぼ単独で作り上げた手腕には驚かざるを得ません。本作の経験があったからこそ、『Flow』につながっていったことを強く実感させてくれる一作です!

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yui

4.5ピヨ🐤

2025年3月25日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

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吹雪まんじゅう

3.081分間飽きさせないで魅せる凄い力量の映像作家

2025年3月22日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

幸せ

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ねこたま

観客が自由に書き込める余白

2025年3月20日
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鑑賞方法:映画館

 今年のアカデミー賞で長編アニメーション賞を獲得した『Flow』を観る前に、同じ監督の前作を劇場で予習します。アニメーション制作が盛んとは思えないラトビアで、20代の青年がたった一人で作り上げた作品です。事故を起こした飛行機からパラシュートで見知らぬ島に降下した少年が、乗り捨てられたバイクにまたがり生き延びようとする物語です。

 この島はどこ? なぜ彼はここに? 黒い巨人は何者? あのゲートは何? などは一切語られず、と言うより、本作には台詞が全くありません。しかし、そこに独りよがりの窮屈さは感じられず、観客が自由に書き込める余白に映りました。

年間興収上位をアニメが独占するアニメ大国の作品にはこんな自由を感じる事ができないのは何故なのだろう。作ろうとする人が居ないのかな、上映の機会が与えられないのかな?

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La Strada

4.0拾ったバイクで走り出す

2025年3月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

背景の色使いは繊細だが登場キャラ達は色彩が単純化されて平面的、表情にも乏しい。しかし、だからこそ鑑賞者の想像力が入り込む余地が多い。
象徴的なモノや出来事が次々と登場するが、解釈は観るものの経験値や経験の質によって様々だろう。たとえばあの巨人は邪悪で粗野なものに見えるが、親や学校のメタファーと見る事もできるだろう。
黄色い小鳥が飛び立った場面、確かにああいう瞬間が我が人生にもあったよなぁ、とノスタルジックな気分になるかも知れない。
何にせよ、想像力を動員して頭の体操のきっかけになる佳作。

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ひろちゃんのカレシ

3.5心地良すぎてめちゃくちゃ眠くなる

2025年3月15日
Androidアプリから投稿

インディーゲームのアドベンチャーにありそうな雰囲気の映画

予告編見て感じるモノがあったのなら
観て損はないと思う

ただセリフは一切無いし
BGMは基本的にメロディーとかじゃなくて一定の和音をずっと繰り返すヒーリングミュージックみたいなBGMだし

映画がつまらないとかじゃなくて心地良すぎてめちゃくちゃ眠くなる

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龍神

3.0不時着した少年

Kさん
2025年3月8日
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K

4.5「クロネコラトビア!」

2023年8月4日
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マサシ
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