「平凡と新鮮」オフィーリア 奪われた王国 ティム2さんの映画レビュー(感想・評価)
平凡と新鮮
オフィーリアという名前とあの有名な絵だけ知っていて、ハムレットの知識はほぼなく見た。
みんな大好きオフィーリアの絵画の再現されたシーンから始まる。よく似てる。
昔の時代で王城のあれこれや貴族社会の恋愛とか好きな題材だけど、新鮮味のないストーリーだった。キャラクターも。
そもそも色々な映画やドラマの方がシェイクスピアからインスピレーション受けているんどろうけど。
オフィーリアについて調べると、元は少し語られるだけのようだ。つまりこの映画のオフィーリアについては多くが新しく肉付けされ創作されたもの。
新鮮味はないが好きな雰囲気で、ロミオとジュリエットに似てる仕掛けがストーリーにある。はなし合体してた。
ラストの王城の結末は悲劇だけど、オフィーリアの説得があった後だと、滑稽な印象。
ハムレットの死は避けられた悲劇。
王位はいらないと思ってたが、真相を知ると考えが変わってしまう。正義はこちらにあると許せないのわかるけど、今の価値観だと(私の価値観だと)幸せを優先して欲しくなる。
兄も前は不穏だからフランスに行くと言って、災いは避けるタイプだったのに、復讐をしようとする。
今よりも譲れないものがあるのもわかるし、復讐もありだけど、幸せの前にはなしだなと私は思った。
女王の最後の行動は今の時代を感じた。昔作られたものにはなかなかない行動じゃないか。でも、女王もあの中から出ることは出来なかった。
今の価値観の新しい結末をオフィーリアだけが選んだ。渦中に飛び込む必要はない。逃げでも自分の幸せを選ぶ。
昔の作品は悲劇に酔ってるってたまに思うので、結末だけそこは新鮮だった。
でも、悲劇の方が傑作になりやすくこのラストに拍子抜けする人は多そう。