はるヲうるひとのレビュー・感想・評価
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【目を背けて来たこと】
強烈な作品を観た。
生きていくということも考えさせられる。
伊勢志摩の島に、こうした置屋の島があるという話を前に何かで読んだ記憶がある。
お伊勢参りの観光客や、名古屋など大都市の男を相手にしていたのではなかったのかと思う。
ただ、こうした性風俗と観光がセットのような場所は、島のような隔離されたところじゃなくても、日本のあちこちにあって、主に貧しい家庭で育った女性や、差別扱いを受けることの多い女性などが就労することが多いように思う。
背景には貧困や差別があり、そして常に搾取が付き纏うのだ。
僕達が日頃から目を背けがちな風景が、この作品にはある。
僕は大学の研究テーマで、国際的な貧困と搾取の問題を取り上げる際、アジアで行われる構造的な売買春についてレポートを作ったことがあった。
詳細は長くなるので省略するが、背景には貧困があり、その貧困の背景には豊かな国が貧しい国を更に搾取するという構図が明らかにあるのだ。
本作は、行き場のない得や女達が、必死で生きる様が描かれている。
母親が女郎。
差別。
貧困。
外界に解決策を求めることが出来ない閉塞感と苦悩。
搾取。
暴力。
異常とも取れる愛。
性欲を満たすためだけに訪れる男達。
だが、そのなかにあっても、笑いやささやかな幸せはあり、それを噛み締めるように笑ってみせる様は切ない。
国際的な構造的売春問題は、先進国や、先進国をベースにした国際的企業が、発展途上国を搾取するような状況から早く脱却すべきだと思うし、それは大きな解決方法だ。
しかし、この作品に描かれたようなものはどうだろうか。
本来は、貧困や差別がベースにあり、細かく言えば、家庭内暴力や、性的暴力を受けたような行き場を失った女性が働くことが多いかもしれないし、これを容易く受け入れるのは搾取を厭わない連中で、それに群がる男性が多くいることが要因なのだから、無くなる方が良いに決まってるとは思うし、実際に、社会からこぼれ落ちそうになっている女性をサポートするNPOもある。
僕も、こうした弱い立場の人間が追い詰められていく状況を決して肯定は出来ない。
だが、この映画を見て、状況はなかなか改善されないだろうと思い、辛い気持ちを覚えると同時に、悲しみや閉塞感、困難の中にあっても、僅かでも光を放つ人間の強さや、ひたむきさ、生きる力を感じ、胸が熱くなる。
この作品は、皆が目を背けがちなテーマに光を当て、問題提起をしつつも、その置かれた状況を肯定はせずとも受け入れ、更に考え続けさせる重厚なものになっていると思う。
やりたい奴がいて、金に困ってる女がやらせてやって金をもらって、需要と供給が一致してるんだから、何も問題ないでしょと、したり顔で言う人間がいることは想像に難くないが、この作品から見える社会問題もあるように思う。
だから、観た人には、是非様々なことを、色々な角度から考えて欲しいと思う。
もの凄くよかった。
今朝、不意に見た林修と山田孝之のインタビューを見て山田孝之が「今までの俳優人生の中で1番辛かった」と語っているのをたまたま見て気になり、公開日も偶然今日だったので、見に行ってきた。
個人的には凄く素晴らしい映画で、
こういった人間の深い部分を描いた作品の中でもかなり上位にランクインした。
しかし、見る人によっては深く入り込めない人もいるだろうな。と感じたのが正直な所。
僕自身、長年吃音症や対人恐怖症に悩ませられ弟に知的障害があったため、
角度はだいぶ違うがかなり共感できる所があった。
僕は自力で克服したが、親も周りにも理解されず人の繋がりはあるが内心ずっと孤独感が消えないままだった。
今作品はその消えない孤独感に寄り添ってくれた。
人は皆コンプレックスや障害、生まれた場所、自分の希望通りに進まない人生に苦悩しみんな悩みを抱えていると思う。
ただ、そんな人生に諦めて甘えても何も変わらない。
この作品のテーマでもある、
「笑え殺したいほど憎くても」
とういのはまさに生きる知恵だと思う。
自分自身、小6の時にイジメられて学校では1人。家に帰っても親は弟の事で手一杯で話せず躾もかなり厳しかったから家族はいるが1人な感覚。
でも、諦めの悪い性格だったしなんとか生きるためにその時から笑顔を心掛けた。
喋り方を馬鹿にされても笑顔でむしろ笑いに変える。その行いで1人でいる事は無くなったが内面は精神的には病んでいた。
でも、30近くになった今ある種間違ってなかったなと肯定できている。
そのおかげで大事な仲間にも巡り会えたし家族とも本音でぶつかって今は自立しやりたい事をできているしすごく強くなれた。また弱い人の気持ちが痛いほどわかるので寄り添う事もできる。
少し個人的な話で熱くなってしまったがそんな自分を間違ってなかったと再確認できた映画だった。
この映画は想像力をフルに働かせて得太の気持ちで見るとめちゃくちゃ重くて辛いが最後は前向きになれる最高の映画だと思う。
辛くても進んで前向いて笑顔を大切に自分の人生を生きろ!
この素晴らしい映画を作った佐藤二郎さん初めキャストの方々に最大の感謝を。
山田孝之さんの演技が本当に最高で涙が止まらなかった。
晴れの日よりは今日みたいな雨の日に見るがオススメです。(笑)
役者魂を観に
この映画は全く気になってなかったのに
まんまとテレビの番宣で
山田孝之さん観て、急遽観たくなりました
結果としてみて良かった。
山田孝之がやっぱり上手い
それだけでもみた甲斐がある。
ただ、映画として内容を考えたときに
深くツッコミたくなる部分は随所にある
ここからネタバレ含みます。
妹がなぜ、仕事ができないのか?
山田孝之とともに少し知恵遅れの設定なのか?
長男に虐待されすぎて病んでるにしても
知恵遅れにしても仕事はできるだろう
下が使えないと言ってようだが、それが納得できたとしたらもっと入り込めただろう。
あと、働かさせている?働いてる女性もなんで働いてるのか。
都会の風俗では売られることは少ないし
あんな風俗しかない島のちょんの間なんてよほどの事情がないと働かないだろう。
と、風俗と言う仕事の関係と、してない真っ当な人と言う分け隔てのくくりだったのだか。
じゃあなぜ?とそれらを掘り下げて考えてしまった。。
向井理がお客さんで来たら💗
カッコ良すぎのサラリーマンでしょ😍
しかし子供の時のトラウトはあんなに心をえぐるんだなぁ。。
父親ショックやわ
それでも辛いだけではなく少しクスッとさせる所があるのは、俳優であって原作、脚本、監督である佐藤二朗のなせる技か。
劇団ユニット『ちからわざ』
だけあって
この映画も役者陣の力技を感じました。
内容抜きにしても山田孝之が楽しめた映画でした。
意味のない映画、雰囲気で映画は成立しない。
全く面白くない。多分脚本とか演出とかではなく、根本的な原案が駄目だ。雰囲気芝居で持っていこうとしてるし、ラストの真実がバラされる辺りも全く唐突出し、だから何って思う。
何が言いたい映画なのかがさっぱり分からない。山田、仲の兄妹は頭が少し弱い人物設定なのか?その辺もモヤモヤする。
坂井真紀の方言も鼻につく。
舞台からの映画化は本当に難しい。舞台でウケていても映像にすると白ける事が多い。はじめの遊女たちのシーンの長回し、多分監督はやってやったぜ的に思っていると思うが全く映像にしたら白ける。不自然なくらいのオーバー演技でリアリティがない。
内容のない映画だから雰囲気と役者芝居で持って行こうとしているが全てが空回りで映画ナメるなって、そんなに簡単なら誰でも監督出来るって。
「笑え殺したいほど憎くても」キャッチコピーつけるなら、登場人物がその境地になってからつけないと。ただのバカ映画丸出しだよ。観客はそこまで馬鹿ではない。ちゃんと観てるよ。
仲里依紗が脱がなかったのが救い出し、頭が良いのでは。この映画で勝負は出来ないけど、監督、山田との関係性があるからこの仕事受けました。
作り手のプロデューサーや監督含めて考えようよ。ちゃんと映画作らないとあんたらも駄目になるよ。そして観客も駄目になるよ。そして日本映画が駄目になる。(そこまでこのスタッフに影響はないけど、どうせ素人の集まりだろうだから)
この映画に高得点は馬鹿だよ。
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