「歯車ヲ違えた人々の関係性がおかしくも楽しく感じられる作品。」はるヲうるひと コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
歯車ヲ違えた人々の関係性がおかしくも楽しく感じられる作品。
内容は、本土日本から離れたとある離島の売春宿『かげろう』を舞台に繰り広げられる物語。離島の呪縛と離島に関係する人々の価値観の違いが問題を提起させもするし解決もすると言う悲喜劇的物語。印象的な言葉は、『NHKも来ると思ってネクタイしてきました。』『こんな反対活動続けてた補償金がっぽりやで!』島の原発建設に対しての利権を絡める昔懐かしい対応。3.11以後原発に対する意識が変わって来ていますが昭和時代のお決まりパターンをどうしても入れたかったんだなぁと時代を感じました。『笑え!声出して笑え!試しに笑え!無理でも笑え!』母親の遺言の様な救いでもあり呪いの言葉の表現は子供時代のフィードバックやフェードインからの表現は分かりやすく良かったです。印象的な場面は、売春婦の一人が最後に公民館で結婚式をし公然でキスをするシーン目を閉じて涙を流す所は良かった。この伏線で向井理が聞く『ネクタイを締める。平気って言うか鈍感になる。君らも(売春婦)そうぢゃない?!』『キスする時何故目を開けてたの?』『決まりだから、分からないです。』秘密にした心の内を大切にする所が自分に由って立つ希望が爽快でした。物語の初めから性的表現の生蛸🐙・垣根の枯れかける椿に追い討ちの様に水をかける場面・かげろうと云う幻を表す店名・自分に変化を願う日焼け男性等『虚』を表現した所に作家性があられて面白かったです。全体的に暗く彩度を落とした映像ですが、内容は明るく其々の思惑や考え方や思い込みのズレが物語を面白くさせ役者の表現力の凄さを感じられる楽しい作品です。
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