「2021 劇場鑑賞4本目 一昨年の東京国際映画祭で見逃してしまっ...」ジャスト6.5 闘いの証 ワイルドとみまるさんの映画レビュー(感想・評価)
2021 劇場鑑賞4本目 一昨年の東京国際映画祭で見逃してしまっ...
2021 劇場鑑賞4本目
一昨年の東京国際映画祭で見逃してしまったイラン作品。イラン作品大好きなので初日に鑑賞(と言っても1月の出来事です)
本作は東京国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀男優賞を獲得。ちなみにこの時のグランプリは1月末に公開した『わたしの叔父さん』でした。
刑事と麻薬組織元締めとの闘いのドラマですが、闘いの火蓋となる場面からたまらない描写。あれは結構なインパクト。
そこからイラン社会の貧富による格差が引き起こす問題を描きながら進むクライムサスペンス。ここで描かれる留置所の描写がまた凄い。そして中盤でまたもやみせるたまらない描写ポイント。
薬物撲滅警察特別チームの刑事サマド役のペイマン・モアディのセリフの多さとセリフ回しは圧巻でした。この刑事サマドの手法もかなり強引ですなんですけどね。
対する麻薬元締めナセル役のナヴィッド・モハマドザデー。この方の演技素晴らしかったです。
ナセルは間接的とは言え元締めですから、その罪に対する処罰の重さは致し方無い。でももっと極悪非道な人物かと思っていたら結構家族想いの人物で、家族に対する想いの言葉はちと悲しかった。
子供に罪を被せる年老いた父親や、土管に暮らしながらクスリを炙る老若男女が出て来たりとイラン社会のアカン場面もあったりとエンタメ性と社会派ドラマ的なところがうまいこと融合していて最後の最後まで見応えありました。
この闘いが終わっても、それはほんの一端でしかない。そんなことを感じさせるラストも好きでした。
映画館でまた上映してくれたら是非とももう一度観たい作品です。
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