劇場公開日 2020年12月4日

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「2人のミセス・ノイズィ」ミセス・ノイズィ はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.02人のミセス・ノイズィ

2020年12月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

1つの出来事を2面から見ることで全く違った印象を受けるという当たり前だけど案外見落としがちな現象を見事に具現化している。いやぁ~おもしろかった!!
人間ってバカなくらい流されやすい。

過去の栄光と現状のジレンマに苦しむ作家の真紀。心機一転引っ越した先で待っていたのは早朝から爆音で鳴り響く隣人若田美和子の叩く布団の音。

そのことをきっかけにやがて2人はお互いを激しく罵り合う隣人トラブルへと発展してゆくことに。
「隣のおばさんは本当に頭がおかしい!」 作家として行き詰まっていた真紀はこの隣人トラブルを小説として発表。こうして「ミセス・ノイズィ」は大ヒット作になり真紀は再び脚光を浴びることになる。

けれどこれはあくまで真紀の視点から見た真紀の物語に過ぎない。美和子には美和子の物語がある。
すれ違い続ける2人。巻き込まれてゆく家族。有頂天になっている真紀になじみの編集者が「君の作品の問題点はなんら解決していない。」と冷静になるよう苦言を呈する。
そしてある事件が起きて真紀はこの言葉の意味を嫌という程思い知ることになる。

決して真紀だけが悪いわけではないし、美和子だけが悪いわけでもない。かといって2人が正しいわけでもない。
結局一番大切なことは「人にされて嫌なことは自分もやらない」という小さな子供だって知っている最も瞭然たる思いやりの心を持つこと。

名脇役のイメージが強かった篠原ゆき子さんが圧倒的演技力で真紀を好演しています。美和子役の大高洋子さんとのバトルも滑稽でめちゃめちゃ笑えました😆

ただ、どんな理由があってもあんなに朝早くからバンバンやられたら私も絶対耐えられません😂なんなら同じことやり返しちゃうかも(笑)

はるたろう