劇場公開日 2020年7月17日

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「主役はマ・ドンソク。」悪人伝 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0主役はマ・ドンソク。

2020年7月24日
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連休。邦画の話題作が複数公開され、連休のシネコンに家族連れが戻って来つつある。
これはいい事。

ただ、上映回数があまりにもそちらに寄り過ぎていて、地味な傑作が…。
まあしょうがない。上映してくれるだけマシだ。

韓国映画はあまり積極的に観て来なかったのだが、やはり『パラサイト』や『梨泰院クラス』など最近の映像作品で気になり始めている。

という訳で予備知識ゼロ。
評判の良さだけを頼りに劇場に赴いた。

物語は、正義感は強いが暴走しがちで野心家の刑事(武井壮に似てるよね)を中心に進んでいくが、視点をそちらにおいて観ていくと、正直「主人公」と言うにはあまりに彼が浅はかだし、展開も都合良く感じてしまう。

でも決してつまらない訳じゃない。
なんか変な感じ。

で、ようやく気付く。

観客として、この刑事の捜査に注目して追いかけていたら、肩を叩かれて振り向くと「おい、どっち見てるんだ?」とマ・ドンソクが立っていた。
そんな感じ。

そして彼がきれいにオチを付ける。

(ポスター見たって)当然マ・ドンソクがメインな訳で、私が単に韓国映画弱者だから勘違いしたというだけのことなんだけど。

苦々しく終わりがちな(それも現実の事件を元にした)クライムサスペンス&アクション作品が、きちんとカタルシスを持って決着する。
登場人物も観客も「ニヤリ」で終われる稀有な傑作。

※『梨泰院クラス』のチャン会長も出て来るしね。

キレンジャー