「なぜGレーティング?と思わず首をかしげる、安定の暴力描写。」悪人伝 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜGレーティング?と思わず首をかしげる、安定の暴力描写。
どう見ても暴力が売り物の作品なのに、レーティングがG(全年齢対象)であることを不思議に思いつつ鑑賞。
「マブリー」ことマ・ドンソク主演でもあるし、アートワークの印象とは異なって控えめな描写なのかな、と思ったら、冒頭から全開の暴力描写でした。マ・ドンソクは登場場面からして、「強烈」の一言。ドンソク自ら「創意工夫」を凝らして暴力をふるうし、ふるわれもするという役柄。一応生身の人間という設定のはずだけど、どんなに痛めつけられてもマーベル作品のヒーローのように不敵に微笑む姿は、彼以外の役者では全く説得力を失うでしょう(彼のファンは寿命が縮むでしょうが)。まさに彼のために作られた役、演出だと言えます。裏返せば、本作の魅力を作り出す上で彼の存在に頼りすぎてしまった、とも言える訳ですが。
作中の暴力団の主要な武器は、出刃包丁。銃器はほんのわずかしか登場しません。もしかしたらレーティングを下げるための演出上の工夫なのかも知れませんが(もしくは韓国の暴力団は実際に出刃包丁をメインウェポンにしているとか)、おかげで「肉を斬る」感覚が一層画面から伝わってきて、むしろ暴力描写としては過激さを増しているんじゃないかと。
犯人の絡み方が今ひとつ分かりにくいといった点は気になるものの、十分楽しめる作品でした。
ただし家族連れでの鑑賞は要熟考!
コメントする