「オシャレ・アート・サブカル みたいな色眼鏡はいらない」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5オシャレ・アート・サブカル みたいな色眼鏡はいらない

2022年2月9日
iPhoneアプリから投稿

ウェス・アンダーソンらしさ、みたいなものからさらに一皮剥けた印象。圧倒的な画力。その背景にもはや狂気的な執念すら感じる。ここまで「画面」を徹底的に作り込む映画はそうない。

短編オムニバスを「雑誌」としてまとめる体裁や、色彩感覚などは間違いなく洒落ているのだけど、これを「オシャレ〜」みたいに表層的に受け止めてしまうと、作品が死ぬ。各話のシナリオもかなりしっかりしていて、決して画力や演出ばかりが先走る作品ではないので、まとまりがとても良い。とりとめもない「パルプフィクション」的な、小咄みたいな軽薄な内容も素敵。

映画館で見ないと価値半減どころじゃない。スクリーンはデカければデカいほどいい。

キャストの豪華さも、とても楽しくて良いです。
小洒落感に臆せず、おっさんも見てみよう。
子供にも、とてもいいと思う。

今日は休館日