「未来のフィルムメーカーへの指南書的ドキュメンタリー」水と砂糖のように regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
未来のフィルムメーカーへの指南書的ドキュメンタリー
イタリアの名撮影監督カルロ・ディ・パルマの軌跡を追ったドキュメンタリー。映画製作における通説「監督がいなくても撮影現場は成り立つが、撮影監督がいない現場はありえない」が示すように、画作りにおける撮影監督の役割が端的ながらも分かる内容となっている。
モノクロならモノクロなりの、カラーならカラーなりの表現方法を模索していった彼の功績をたどるという構成なため、映画ファンというより、将来のフィルムメーカーへの指南書的な意味合いが強い。
そのため、ディ・パルマの隠された真実を探るといった要素は皆無な、至って真面目な作り。
公的なインタビューをあまり受けないウディ・アレンが、長年の仕事のパートナーだったディ・パルマについて雄弁に語っているのは、ちょっとした見どころかも。
ただ、『水と砂糖のように』というタイトルは、あんまり本作のテーマとは合ってないのでは?と思わなくもないが。
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