「ダコタ・ジョンソンはサスペリアとは全然違う普通のきれいな隣のおねいさんで、思い切りキュンキュンしてしまった💞ごめんなさ~い🙏」ザ・ピーナッツバター・ファルコン カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ダコタ・ジョンソンはサスペリアとは全然違う普通のきれいな隣のおねいさんで、思い切りキュンキュンしてしまった💞ごめんなさ~い🙏
アメリカ南部の小さな海辺の町で篭仕掛けのワタリガニ漁で生計を立てている漁師のタイラーは頼りになる兄貴がいたが、亡くなってしまい、さらに兄の漁業権は他人の手に渡ってしまい、密漁でなんとか食い繋いでいるが、ほかの漁師の篭を獲物ごと失敬する粗っぽさで、漁師仲間とのトラブルが絶えない。ついにやけになって、漁協に放火し、追われる身になってしまう。兄貴はすべてタイラーの夢のような回想シーンに無言で現れるのみだが、いい兄貴だったんだってわかるすぎるぐらいわかる。兄貴役のジョン・バーンサル。カッコいい。
老人介護施設で暮らすダウン症の青年ザックにも身寄りがない。プロレスのビデオを見るのが好きで、ご贔屓はソルトウォーターレッドネックというレスラー。
レッドネックの意味は元々は南部やアパラチア山脈の麓で働く貧しい白人労働者を指す俗語らしい。日焼けで首が真っ赤っかだからだと思う。ソルトウォーターだから、うーん、港湾労働者? えっ?貧乏漁師のこと? でも、あまりカッコいいリングネームじゃないぞ。
この映画の題名もよくわからなかったのだが・・・・・
同部屋のカールおじいちゃん(ブルース・ダーン)はザックがVHSビデオを一回見るごとに50セントもらっていれば、とっくに俺は億万長者だなんていう。ザックはビデオでソルトウォーターレッドネックが宣伝してるレスラー養成道場に入り、レスラーになるのを夢見ている。そのために脱走を試みたが、捕まってしまう。でもその脱走計画がうんと可愛い。食堂で自分のプリン🍮をおばあちゃんにあげて、クレヨンで書いた絵を見せて、おばあちゃんにプリンを誤嚥した芝居をしてもらって、施設が混乱している間に逃げ出すのだ。だが、あっさり捕まって、部屋の窓には鉄格子が付けられてしまう。ある日、カールおじいちゃんが両端の鉄格子の縦の棒二本にバスタオルを渡し、タオルをぐいぐいねじって、真ん中の隙間を広げ、裸になり石鹸を体に塗って滑りを良くして抜け出ろとアドバイスしてくれる。
カールじいちゃんはザックに【友達は自分で選べる家族】と言うのよ。老人から若者に託す言葉として、これほど含蓄があり、心に響き、未来思考の言葉はないかもしれない。
パンツ一丁で脱走したカッコ悪いザックは一隻のボートに身をひそめ、追っ手から逃れるのだが、エンジンのカバーシートの中で寝てしまう。ちょうど、今さっき放火して逃げてきたタイラーがボートに飛び乗り、二人の逃亡劇が始まる。
施設の看護師のエレノア(ダコタ・ジョンソン)は以前からひとり老人施設にいるザックをなにかと気にかけていた。脱走したザックを内密に捜索するようにと、事を表沙汰にして幹部から罰せられたくない施設長から命を受ける。
タイラーとザックは追っ手を避け、トウモロコシ畑のなかを逃走するが、一軒のコンビニに寄って食料を調達しようとする。タイラーはなけなしの金でパンとピーナッツバターの瓶と釣り針を買うのだ。さすが漁師の選択???
この二人が偉いのは、トウモロコシが周りにいっぱいあるのに、失敬して食べたりしないのである。
その直後、ザックの写真を持って捜索のために入ってきたエレノアと漁師のタイラーは鉢合わせ。ザックを畑に残してひとりで来たタイラーはザックにもうシンパシーを感じていたのだろう。知らんぷりを決め込む。
二人の逃走シーン(ロード)はザックに泳ぎを教えたり、プロレスに必要な体力トレーニングを科したり、ライフル射撃を教えたりして、自然の中でザックは一つずつ自信をつけ、二人はすっかりバディの仲になってゆく。
森の中で一軒の小屋を見つける。出てきた盲目の黒人の神父から材木の提供を受けて筏を作り、祝福を受けて、旅に出る。
野宿した入江の砂浜で最高に意気投合した二人はコンビニの店主にもらった自家製ウイスキー(たぶんジャックダニエルみたいなトウモロコシから作ったモルト?)を飲んでしたたか酔っぱらう。しかし、その間に、タイラーを追ってきた二人組に筏を燃やされてしまう。翌朝、途方に暮れていると、ワゴン車で通りかかったエレノアがザックを見つける。エレノアはザックを連れて帰ろうとタイラーとコンビニのことなどで言い争っている間に、ザックが車のキーを抜き取り、海に投げ捨ててしまう❗
エレノアは海に入ってキーを探すが見つからず、あきらめる。
そして、
ザックの夢を叶えてやろうと、ソルトウォーターレッドネックのプロレス道場を目指して3人は旅を続ける。
途中、
海岸の大きいクレーンのロープにぶる下がって、3人が海にダイブして遊ぶシーンやザックが筏から飛び込んで、手づかみで大きなスズキ(ボラではない)を捕って、筏の上で焼いて、ピーナッツバターを塗って食べるシーンが印象に残った。エレノアは夫と死別?
ソルトウォーターレッドネックの住所を頼りに一軒の家にたどり着く。しかし、年月が経過しており、すでに彼は第一線を退き、養成道場も閉鎖していた。タイラーはなんとかザックのために一肌脱いで欲しいと頼むが、ソルトは断る。
落胆した3人があてもなくとぼとぼと歩いていると、そこへ、レトロなオープンカーに乗り、往年のリングコスチュームに身を包んだレッドネックが、車をスピンさせて止まり、3人の前に現れる。カッコよく年をとったハルクホーガンみたいに見えた。粋な計らいについニヤニヤしてしまう。さらに、裏の友達の庭で試合があるから、ザックをメインイベントで出してあげると云うのだ。その友達が、日本のリングにも度々あがった、必殺技DDTの創始者の本物のレジェンドレスラー ジェイク "ザ・スネーク" ロバーツ本人。
田舎の小さな興行なのだが、3人は大喜び。そこで、ピーナッツバター・ファルコンがなんなのかが明かされる。
ザックのリングネームなのである。
ザックは自分はヒール(悪玉)だと思っている。でも、タイラーはお前はベビーフェイス(善玉)だと。
メインイベントの相手は主催者でスーパースターのジェイク・ロバーツ本人。ジェイクは36年の現役時代、ヒールとベビーを何回も変わっている。
ザックの入場コスチュームは段ボールでできているファルコン(はやぶさ)。笑っていいのや悪いのやら。手作り感満載。この映画の手作り感とマッチしてる。
対戦のはじめはやられっぱなし。
一方、リングの外では追っ手の二人がタイラーを見つけ、誰かと電話連絡をとっている。
ついにザックがジェイクを高々と担ぎ上げ、リングの外に投げ捨てた。
ほぼ同時に追っ手の一人ががタイラーを背後からバールのようなもので殴る。
場面は変わって、病院の暗い待ち合い室。エレノアが立っている。
エレノアが運転するクルマの助手席にザックが座っている。タイラーが死んでしまって、二人だけで施設に戻る途中に見えた。
しかし、ザックがハンバーガーを持った右手を後ろの座席に。頭に包帯を巻いたタイラーが起き上がる。
生きてた~❗
3人の新しい家族はフロリダに向かう途中だったのだ。
心が暖かくなるステキなロードムービーだった。
忘れないように書いていたら、長くなりすぎました🙏
カール3世さんコメントありがとうございます
そそそ!そこですよね!
人生どん底にハマった時って、視野がまた一味違って見えるもんですよね
ザックがタイラーの心の助けになって、タイラーがザックを励ましてくれた!