ラフィキ ふたりの夢のレビュー・感想・評価
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【RAFIKI という言葉の重みを ”ケニアの国内情勢” と共に考える。】
多分、いや間違いなく、人生初のケニア映画である。
ケニアの人々、取り分け主役の二人、ケナとジキのカラフルな衣装と髪の毛に魅入られる。(特にジキのピンクを基調にしたドレッド・ヘア。)
二人の父親は国会議員で対立候補。
この時点で、この二人はケニアの人々の中でもアッパークラスなのかな?と思う。
政敵の娘である筈の”大きく澄んだ瞳と褐色の艶やかな肌”を持つ二人が恋に落ちる過程が鮮やかに描かれる。
が、彼女たちの想いは”ケニアで禁じられている同性愛”として、街中の好奇の目に曝されることに・・。
物語は、”シンプル・イズ・ベスト”パターンで進む。
若干の、粗さも伺い見える。
けれども、終盤の二人の”一時的な”別れと数年後の再会に自然と目頭が熱くなるのは何故か?
<ケニアの国情も鑑みながら鑑賞すると一層、沁みます。特に制作陣の頑張りに・・。>
<2020年2月1日 地元の素晴らしきミニシアターで、仕事帰りに鑑賞>
“You’re just a typical Kenyan girl.” ➡ "We're gonna be something."
オープニング・クレジットの途中から、まだ何も始まっていない画面の奥から、何やら車のクラクションや生活感のあるサウンドスケープ(音風景)が聞こえてくる。そしてこの映画の題名「Rafiki(友達)」が現れると嘘のようにMuthoni Drummer Queenによる軽いノリの曲”Suzie Noma”が流れ、ボーイッシュでしかもスレンダーな主人公のケナがサラッとナイロビの街並みを紹介するようにスケートボードに乗って登場する。
申し分のないオープニングと正反対のように.....アフリカでも日本でも悩みは尽きないらしい。しかも無責任に人の噂を流し、それ見たことかと思っている御仁もいる。そういう人間ほど厄介なものはなく、声の出る人間CCTVのように思える。母親と離婚した父親の事で自分では、母親に知られたくなかった事が...人の集まる教会でついに母親の知ることとなってしまう。
What's going on there? It might be a new baby.
-Mum, it's so hot. キナは気を利かせて母親を連れ出そうとするが...
母親が知ることとなる。
When is it due? When is it due!
-He's due in February.
Can't you even answer me?
You're man enough to have a son and you can't even answer me.
Come on, let's go.
議員に立候補しているキナの父親。社交場である教会に若く新しい妻を連れていかない訳にもいかない。このシーンを見ただけでキナの優しい性格や精神構造がわかるものとなっている。
一緒に住んでいる女性の前でもブラックスタという男性は、その彼女の前でもキナと親しくし、なんでもやるからと甘い言葉も平気で言ったりもする。この場面、何故そんなことが出来るのかと違和感だけしかない内容になっている。それは、男女間の社会通念の差によるところが大きい。
People like the Okemis will lift you up.
Everyone else, including that Blacksta, will just be a weight
that keeps you stuck right here.
教会での牧師の説話の場面。
What surprises me is that there are Kenyans who are challenging
the government, because of their stand....
on same-sex marriage. They say it's a human right.
What is a human right? Isn't it God who decides what is right
and what isn't? Are we going to ignore God?Don't choose to
be lost!Because God's laws don't change like human laws
or your country's................
ピンクを基調とした極彩色なドレッドヘアーが象徴するかのようなビビットな外見を持ち、その外見だけでなく内面も同じジキと運動神経抜群で男女関係なく友達となれるケナ。そんな2人が何かの引力で惹かれることで、お互いが意識するようになるのは自然な成り行きなのか? そんなに早く恋愛関係になる様子は、普段なら”何故?”と感じるところが、余りにもいい感じで描かれているので、立ち止まることも忘れてしまう。しかし2人の間を社会的危険分子としてリンチが待っていた。そして悲しい別れが..?
全編、スワヒリ語と英語を交互に使い分けるケニアの社会。その理由が垣間見ることのできるイギリスの植民地時代1895年と現在のコモンウェルスの一員となった1963年。それが意味するところは、良くも悪くもイギリスの法律の負の遺産、いわゆるソドミー法の存在。イギリスでは、150年前は、死刑。そこまでは罰せられないにしろ現在での刑罰、禁固12年は重すぎないのか?CNNのサイトから2019年5月24日付けの記事"ケニアの高裁が同性愛者は違法"であると判断が下されている。
親同士が、議員の対立候補者。その娘同士が惹かれあうストーリーは、たった五日間しかない恋ごころを描いた”ロミオとジュリエット”か? でもジキとケナのキスシーンは、あくまでも優しく、美的という言葉を寄せ付けないほど隔たりさを感じさせない.....
とにかく原色の世界。街並みも服も髪もすべてが原色。何よりも彼女たちの目がすみ切っていて鮮やかで空の青さと同じくらい純粋さと愛情があふれている。彼女たちの目を見ているだけでアフリカで3本の指にあがるほどの治安の悪いケニアの未来が...。
エンドロール・クレジットで♪Walk with me, far above the horizon Lay with me, we can put the stars to bed で始まる曲”Stay” この映画の素晴らしさを素晴らしい曲で締めくくる。
数年後。成長をしたキナ。..........そして、ラスト、横顔を見せるキナ。その肩には........
Finally パチパチ
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