映画大好きポンポさんのレビュー・感想・評価
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魂のこもったエンターテイメントが好きなら、一度でも感動したことがあるなら、確実に刺さる作品
大大大傑作。
監督は『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』の人、と言うとわかる人なら即飛びつくでしょう。
クリエイターの、常人とは違う狂気をポップかつエモーショナルに描いている。
この狂気は『セッション』のEDの興奮に近い。
前半からクライマックスまで名言の嵐。
ただのいちアシスタントだったジーンが監督に抜擢された理由が「いちばん目が死んでたから」なのが最高です。
「幸福は創作の敵」だと。目が死んでる側の人間が命を削ってモノを創るとどうなるか?興奮しかない!
映画の”編集”という地味な部分をクローズアップされているにも関わらず、素晴らしいストーリーと演出でエンターテイメントとして成立させているのが見事。
終盤はバトルモノのような興奮がありました。
挿入歌がかかるタイミングが絶妙で!涙で…スクリーンが……。
とにかく見るべき映画!
魂のこもったエンターテイメントが好きなら、一度でも感動したことがあるなら、確実に刺さる作品。
カメ止めのごとく、映画で語っているメッセージを作品そのものが体現している感動もある。ヤラレタ!と笑顔で膝を打っちゃう。見事。
ぼくは隈、隈、隈
タイトルロールはポンポネット嬢だが、実際はずっと目の下の隈が取れない制作助手のジーン君が主人公で、助監督経験もないのにあれよあれよという間に大傑作を撮ってしまう夢物語。
ポンポさんの作画はキッチュなのに、マーティンとかアランとかそれぞれタッチがバラバラでまるで統一感がない。みなもと太郎とか赤塚不二夫の漫画にもそういう例はあるけど、あれはギャグとしてやっているので。
劇中撮っている映画も陳腐なテーマで、私ならたぶん見に行かない。
映画を生かすも殺すも編集次第というのは正にそのとおりで、テンポのちぐはぐな映画は見るに耐えない。編集者ではクリント・イーストウッド監督の映画を多く担当しているジョエル・コックスが良い。ちなみに、編集者出身で監督になった人にハル・アシュビーがいる。
「映画大好き。。。」ってタイトルに惹かれて
タイトルに映画大好きと入ってるので興味あるあるでした。
言葉にジーンと来たり、テンポも悪くなく最後まで楽しめました。
格が違う文句無しの大傑作!
レビューを見て軒並み評価が高いのは知っていたので前々から観ようとは思っていたのだが、上映から3ヶ月弱経ち終了ギリギリのタイミングでようやく鑑賞することができた。
観た感想としては、非の打ち所が全くないくらい面白すぎる!!!……と小学生みたいな薄っぺらい感想になってしまったが、本当にここ数年観た映画の中で5本の指に入るくらいには面白かった。こんなに高評価されているのも納得のクオリティでひたすらスクリーンから目が離せなくなるくらい圧巻の映像体験をさせてもらった。まさにジェットコースターに乗っているかのような90分間だった。
ストーリーとしては「編集」にスポットを当てるというのが斬新で面白いと思った。やはり映画を観る上で注目しがちなのは演技や脚本だが、実は映画をひとつの作品としてまとめ上げるには編集という作業が如何に重要で難しいものかに気付かされた。
いつもなら鑑賞が遅れてしまったら長々とレビューを書いたりはしないのだが、語り始めたら指が止まらないくらいの大傑作なので少し長文になってしまった(笑)。帰宅したら思わず買ってしまったパンフレットにゆっくり目を通して、もっとポンポさんの世界の余韻に浸っていたいと思う。
答えはひとつではない
自分の会社の意味無し会議もネット中継で晒してしまえ‼️
と思った人、挙手願います。
上司の自己満足のための会議、協議をした痕跡を残すためだけの言い訳みたいな会議、決定を先送りすることだけが決まる会議…
この映画、そこじゃないよ!
と分かってはいるのですが、そんな会議はなくなってしまえ、といつも思っているので、意外と刺さってきました。
この映画が『映画製作』という仕事の醍醐味を素人にも分かりやすく、なによりも魅力的に伝えてくれる素晴らしい作品であることは既に多くのレビューが伝えてくれています。
そして、肝となる部分には、世の中のあらゆる仕事に通じる普遍性があることも。
今自分が取り組んでいる仕事は誰のため?ということへの答えは、当然ひとつではないけれど、具体的な誰かを思い浮かべる想像力はどんな職種のどんな仕事でも必要です。
おそらく、世の中で起きている不祥事の類いは、すべてその気持ちを忘れてしまった人たちが起こしています。
仕事で迷いが生じたとき、大物プロデューサーが近くにいなくても(普通はいない)、今やらなければいけないのは、最終的には誰のためか?
そこを起点に始めから考えてみると、あれ?もしかして俺、上司の顔色ばかり見てたんじゃないか、とか、エンドユーザー目線を忘れていたんじゃないか、みたいに道が開けることがあります。
ところで、昨日鑑賞した『ドライブ・マイ・カー』の上映時間はほぼ2倍の179分。
答えはひとつではありませんね。
この作品に満点付けれないアニメマニア、映マニアはいるのか?
この作品をひとに勧められてまずネックになるのがこのキャラクターである。このエロアニオタアニメ風主人公にはほぼ誰に勧めても二の足を踏む。絵が嫌いだと。しかしそれが10分過ぎるとそうでないことが分かってくる作者?監督?によるそれが仕掛けであると・・。次にはアニメの動きについてである。最初明らかにキャラは秒6~8コマの動きで質の悪いテレビアニメを見せられてる錯覚に陥る。しかしそれも登場人物が増えるにしたがってその違いがこの画面でのキャラの重要度を図るバローメーターになり最後は普通のコマ12~18辺りまで伸びる。背景も手描直撮り背景からデジタル背景まで場面場面で記号的に使われここでアニメにおける「光」もしくは「光源」の取り扱いの歴史が埋め込まれている。金田伊功から大友、庵野を経て藍に至るまで。特に光と影の表現はフォービズムに強いリスペクトが見られ、それは銀行の壁面一面に多くのマチスが飾られていることからもその意識がよくわかる。銀行の一場面と言えばこれも素晴らしくネットの生配信と言う映画の対極とクラウドファンディングを組み合わせたこれも従来の映画作りとは似ても似つかないプライベートメッソッドと大手銀行の組み合わせ。映画のエピソでは小津組、黒澤組の違いを揶揄したり編集の際のデジタル編集とアナログ編集の違いによる映画製作の苦悩を描いたりもうこれ以上ない盛りだくさんなのである。後音楽についてもオープニングはクラシックなミュージカル風に、エンディングはヒップホップ風のMTVぽく…そして最後映画の長さについて90分を主張していたにもかかわらずこの作品は2時間近くある全く最後の最後まで退屈することなく90分以下にすら感じる面白さを観客に惜しげもなく提供している。こんな映画は見たことがない。満点!!!
ようこそ夢と狂気の世界へ
自分は映画を観て、「感動して、エンドロールが終わるのも気づかなかった」ことなど、一度もない。
「現実から逃げて、ここ(映画)しかなくて、だから命をかける」なんてこともない。
ただ、そんな「映画大好き」ではない自分でも、とても面白かった。
リアリティなど、どうでも良い。現実世界でも、監督、プロデューサー、俳優、それぞれ一人として同じ人物などいないはずだから、“不自然”だとか“ありえない”とか言ってみたところで無意味だろう。
出来すぎの“作り話”を、虚心坦懐に楽しめば良いと思う。それだけの豊かな内容がある作品だ。
クランクアップ後の「編集」では、最初は「地球上で一番幸せ」だったが、いざ始めてみると、どれも必要に思えて切れずに苦悩するのは、さもありなんである。
しかし、もっと専門的な話があるかと思ったら、結局、「どうしても伝えたいこと以外は、ひたすら切れ」みたいな抽象的な話で終わってしまって、その点はガッカリであった。
ラストは、主人公の監督の“価値観”を、一方的にまくしたてられて終わる感じであるが、そういう“青臭さ”も悪くない。
自分のような素人に、映画作りのダイナミックなところを垣間見せてくれるような、楽しい作品である。
フィルムにちゃんと
アナログ音声信号とデジタル音声信号がプリントされてるところ好き!
映画化部分の原作はpixivで既読。原作の最大の不満点だった、作中作(『MEISTER』)があんまり面白そうに見えないところが、だいぶ改善されていたように思えた。
普段映画を観てて編集について考えることはほとんどないけど、そこにスポットを当てていて、興味深く観た。まあクレジットが判断する限りは、監督が編集もすることはあまり(ほとんど?)無いみたいだけど。
ビジネスとしての映画製作も(取り上げ方や描き方はともかくとして)少しだけ触れられているが、オリジナル足すなら興行についても拾ってほしかったかな。
なんだかんだ言っても総じて楽しんだけどね。
あと、
●スタンド・バイ・ミー
●LAコンフィデンシャル
●ギルバート・グレイプ
みたいなのなかったのは残念。
芸術とは不幸せの結果である。
劇中「ニューシネマパラダイス」が登場するが、この映画のテーマは「ニュー・・・」と同じく「ものを作るということ」だと理解。
内気な青年の成長物語として観ても充分楽しいけど、この「ものを作るということ」の裏側=高く盛られた土の横には必ず大きな穴があるということを、監督さんが非常に大事にしてらっしゃる気がして、大変共感&感激しました。
とってもおすすめです。
【初映画監督に抜擢された冴えないアシスタント君のプレッシャー、喜び、編集の苦しみを劇中劇とシンクロさせて描く。けれど、尺90分に拘るポンポさんは、本当に映画好きなのかな?】
ー 映画製作現場のリアリティさ、資金集めの大変さのシーンなど、面白く鑑賞した作品。ー
◆少し気になった点
・映画界の重鎮を祖父に持つポンポさんが、序盤に言った台詞。
”長い映画は嫌い!”
ー いやいやいや、幼い頃から祖父と映画を観て、長い映画は嫌だという気持ちは、分からないでもないが、ではポンポさんは、
・十戒
・ベン・ハー
・風と共に去りぬ
・ゴッド・ファーザー
も、嫌いなのかい??ー
更に、ポンポさんは、彼の名作もバッサリ切って捨てる・・。ー
・ポンポさんが、ジーンをアシスタントに迎えた理由。
”他の人は、未来と夢を持って眼が輝いていたけれど、(映画しか楽しみがないので)眼が死んでいたから・・。”
ー いやいやいや。私は、京都芸術大学の映画学科の生徒の、輝く顔を何人も見ているよ!ー
・ジーンが、90分尺に収めるために、編集するときに言った言葉。
”家族”も”友人”も切り捨てなければいけないのだ・・、と言いながら”Delete”キーで編集していくシーン。
ー いやいやいや。編集で、カットするのは仕方がないが”家族”も”友人”も映画を作るうえでは、大切な存在でしょう。セリフにしなくても・・。
◆良かった点
・映画製作現場のリアリティさ、資金集めの大変さが描かれていた点。
特に、級友だった銀行勤めのアランが、ジーンの映画追加撮影のための資金を融資して欲しい・・、と重役たちにプレゼンするシーン。
ー 順風満帆の人生を送って来たアランが、社会人の厳しさにめげ、会社を辞めようとしたときに目に入ったジーンの資金融資依頼の紙。冷たかった上司の粋な計らいと、頭取がアランに掛けた言葉。沁みてしまった好きなシーンである。ー
<映画には、人生の喜び、哀しみ、虚しさ、不条理、怒りが詰まっている。私が、映画は総合芸術である、という思いを持っているのは、万民に受け入れられる娯楽であり、芸術であると思っているからである。
映画に、規範を求めてはいけないと思う。(倫理的に許されない描き方は除く。)
又、映画製作に関わる人を、古臭いステロタイプ思想
ー僕には映画製作しか出来ない・・。社会性を欠いている・・。ー
で捉える事も、如何かと思う。
実際の映画監督の多くの方は、非常に聡明で、社交性豊かな方が多いのであるから・・。>
<2021年8月14日 刈谷日劇にて鑑賞>
粋
周囲の評判があまりにも高いので期待値がかなり高くなりすぎていた。
いや、期待の種類が違うというべきか。
「この作品は涙涙の感動超大作なんだろう。どんなに打ちのめされるのだろうか。」と思って見始めたら涙涙ではなくワクワクが止まらない方の超大作で驚いた。
映画を作るってこんなに楽しいんだということがかなり伝わる映画。
特に撮影をあっさり済ませてその素材をどう調理するかというところに焦点を当てたのはかなり斬新でもあり、編集の面白さを余すところなく伝えていた。
それでいて編集以外の映画を作るのに必要なところも逃すところなく入れ込んでいて本当に素晴らしかった。
最後にこの映画で僕が1番気に入っているところは上映時間が90分であるということだ。
映画製作の深さと情熱を解りやすいアニメに
やっとこの作品を観る事が出来ました。既に公開から2ヶ月程度経とうとしてますが、近所のローカル映画館で巡業公開?で短期間上映されてる情報を得て鑑賞してきました。
キャラも活きてて内容も真っ直ぐで解りやすく、それでいてキービジュアルの見た目に拠らず?結構観応えのある作品です。セリフの所々に『電撃の演出』ソレの様に訴えかけられるものがあり、観ているコチラが内容にココロをシッカリと掴まれる、そんな引き込まれ方をする面白い作品です。
言葉は日本語ですが、設定は映画の本場?ナンチャラウッドを舞台に、登場人物も外国人名、この辺は映画好きな作者のコダワリのようなモノを感じます。また作中で“B級”なる言葉が出ますが、とは言え映画作りに掛ける思いや思想概念の掛け合いに説得力が感じられ、そして深い内容です。
原作者の映画ヲタぶりが垣間見られると言うか、語りだしたら止まらない、そんな勢いを感じました。
ココまで高く評価申し上げましたが、それでも幾つか気になる事も。
まず全体にアップ気味のテンションで展開していきますが、その振り幅は決して大きくありません。主人公の挫折はなく、主人公がもたらす無理難題があまり手数をかけず解決を見せたり、単なるアクシデントだったりのアップダウンがある程度で、絶体絶命のスリルやサスペンスと言う程のハラハラ・ドキドキ感は然程無し。
また主人公・ジーンのソレがワリとテンプレで、このキャラ設定は良しとしてビジュアルに少し工夫があれば良かったかなと。ポンポさんに絵面が負けてる感が否めませんでした。
些細な事ですが、物語はジーンの独り相撲的な立て付けになっており、ライバルなどの存在で対戦的な構図ではないため、風呂敷の広さもソコソコで壮大さはありません。つまりこの辺が“B級”のソレなのでしょう。
そして問題の中の人。コチラに関してもナタリーが結構ヒヤヒヤモノでしたが、大塚明夫&加隈亜衣両氏の個性豊かな本職の演技のヒッパリによって?ナントカ及第レベルを維持しています。
そんな訳で、もう少し早く観賞できていれば良かったのですが、自宅近所で観られた事は好都合でした。ココは僻地なのでアニメ映画を観るにはワリと骨が折れる事が多いのです‥‥
ところで絵面が何となくヒロアカにアスナが出てきた風なイメージに思ったのは自分だけでしょうかw
真に映画館で観る作品。
タイトル、ティザービジュアル、予告映像、そして声の配役、ここまで観ても、特に観たいとか期待とかは殆どありませんでした。特に声の配役、声優さんではなく俳優さんを起用している時点で不安しかなく、まぁ機会があれば〜くらいの気持ちでいました。
そして実際観賞してみて。180度ひっくり返りました。
なんでもっと早く観なかったのかと後悔すらしました。
まず映像が凄い。冒頭から引き込まれ、終始光の描写や自然の背景、そしてなにより一見して地味な「編集」という作業をアニメならではの表現で魅力的に演出している点に感服しました。(アニメ会社さんも聞いたことがない会社さんだったのでこれから要チェックしていきたいです)
そして一番不安だった声の演技。これは数少ないアタリ作品だったと思います。一点、新人女優役の方の演技が少し違和感がありましたが、それを補う内容と周りの声優さんの演技は流石としかいいようがありませんでした。主演の清水尋也さんも今作ではいい味を出していたと思います。
そして内容。映画というスクリーンの裏側にある脚本、撮影、俳優、そして編集という決して日の目には出ない部分をフォーカスした濃い90分でした。
映画関係者はもちろん、そうでない人にも焦点を当てていて、本当に広い意味で映画は繋がっているんだなと感じました。
「映画は1人では作れない」まさしくその通りです。
夢と狂気の世界をこれからも愛していきます。
映画製作への情熱に溢れているビックリアニメ
元ネタの漫画も映画化された背景も何も知らなかったんですが、評判がいいので観に。
ストーリーはかなりちゃんとしていてるのに、キャラクターはデフォルメされた変キャラだし…
もろ日本のアニメなのに、舞台はハリウッド的でキャラの名前はジーンにポンポさん。
なにか、すっごいチグハグ感。
しかしながら…
映画製作の流れと撮影、編集の機微などが丁寧に描かれている。
映像制作に関わっている人みんなに是非観てほしい。
「映像研には手を出すな!」との双璧と言っても過言ではないほど作品制作への情熱に溢れている。何度も涙出たよ。
クリエイティブとは…
何を絵描き、何を捨て、何処に信念を置き、どう楽しめさせ、何を伝えるか、単純的だけど、解りやすく、テンポよく、独自のアニメ手法で、飽きさせず、優しい世界で、クリエイティブな事を、教えてくれる。
そんな世界観だからこそ響く言葉も多い。
楽しい映画
分かんないね。
斗司夫がね、話題にしていたものでね。
タイトルとはスゴいもので、あだ名がポンポさんという日本人が映画レビューしまくる作品だと想定してたんですよね。
まさかニャリウッドのプロデューサーとはねぇ。
視聴後感はスゴい良いですけど、これだけで全部語るのは作者に失礼なのかもって感じですかね。
今は凄くいい映画見た感じですけど、もう暫くすると粗の酷さに幻滅するかもしれません。そんな映画です。
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