「ようこそ夢と狂気の世界へ」映画大好きポンポさん Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)
ようこそ夢と狂気の世界へ
自分は映画を観て、「感動して、エンドロールが終わるのも気づかなかった」ことなど、一度もない。
「現実から逃げて、ここ(映画)しかなくて、だから命をかける」なんてこともない。
ただ、そんな「映画大好き」ではない自分でも、とても面白かった。
リアリティなど、どうでも良い。現実世界でも、監督、プロデューサー、俳優、それぞれ一人として同じ人物などいないはずだから、“不自然”だとか“ありえない”とか言ってみたところで無意味だろう。
出来すぎの“作り話”を、虚心坦懐に楽しめば良いと思う。それだけの豊かな内容がある作品だ。
クランクアップ後の「編集」では、最初は「地球上で一番幸せ」だったが、いざ始めてみると、どれも必要に思えて切れずに苦悩するのは、さもありなんである。
しかし、もっと専門的な話があるかと思ったら、結局、「どうしても伝えたいこと以外は、ひたすら切れ」みたいな抽象的な話で終わってしまって、その点はガッカリであった。
ラストは、主人公の監督の“価値観”を、一方的にまくしたてられて終わる感じであるが、そういう“青臭さ”も悪くない。
自分のような素人に、映画作りのダイナミックなところを垣間見せてくれるような、楽しい作品である。
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