劇場公開日 2021年6月4日

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「はい、カット!」映画大好きポンポさん 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5はい、カット!

2021年6月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

B級映画ばかり撮る映画プロデューサーのポンポさんが、新作映画に抜擢したのは新人監督のジーンと新人女優のナタリー。
自信なさげで控えめ、だけど“それ”への情熱は誰にも負けないそんな2人。
大物俳優を主演に撮った一本の映画にまつわる物語。

タイトル通り、非常に映画愛に溢れるアニメ映画でした。
映画しかないジーン。
ただ、彼には映画があった。
充実してきたけれど、何も残らなかったアランとの比較も見事。
そんなアランくんも「リア充ざまあ」で終わらせないところがまた良い。

オタクが報われる世界。自分のためだったオタクが他人を幸せにする世界。
現実はそんな上手くいかないかもしれないけれど、好きを貫き極めれば努力は報われるという救い。
何度涙したことか。どれほどの人が自分と重ね合わせただろうか。
決して泣くようなシーンでなくても、胸がキューと締め付けられ、涙が溢れた(実際はなんとか堪えましたが)。
セリフにもあった「泣ける映画で泣かせるより〜」まさにこれがそれでした。

映画はみんなで作るもの。
昔の映画撮影ってなんとなく重々しい印象があるけれど、最近の映画撮影の現場ってこんな感じのイメージ(実際に携わってるわけではないので憶測に過ぎないですが)。
先輩後輩隔たりなく意見を言い、監督を中心にみんなで協力してクリエイトしていく、みたいな。
これは映画制作の場だけじゃなく、迷惑かけない程度に自分の意見をしっかり言うという大切さは、当たり前だけど改めて考えさせられた。
黙ってちゃなんも変わらない。
自分ももっと、意思はっきり伝えていかないとな。
それから、映画はいかにカットするかなんですね。
何千何万とある撮り貯めたシーンの中から、ベストの形にするためにバサバサとカットしていく。
切る、切る、切りまくる。
ファーストカットも思い出のシーンも余分を省いて、映画という決まった時間に収める。
そして、叩き出したのが90分。
そう考えると短編映画ってすごいな。
わたしは長尺映画も好きですけどね。

これは私の映画だ。そしてみんなの映画だ。
自分の好きを大切に、自信を持って生きていける勇気を貰える作品。
どんな夢でも諦めるな!
クリエイティブに生きていこう!
さあ、あなたも一緒に夢と狂気の世界へ!

唐揚げ