劇場公開日 2021年2月20日

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「カルテじゃなくて人間をみて下さい」痛くない死に方 pipiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5カルテじゃなくて人間をみて下さい

2021年3月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

難しい

「カルテじゃなくて人間をみろ」と、長尾先生をモデルとした長野先輩は河田に言う。
すべての医療従事者の方に、心からそうお願いしたい。
自分の経験範囲では、症状自体を診て下さる医師よりも、カルテや検査結果のみで判断する医師比率の方が高かった。
最たる経験は産婦人科だった。「人間を診て」下さる医師を求めて3回転院した。
TVのロケにもよく使われていた最新鋭機器を備えた大病院の新人医師は、リビングウィルならぬバースプランについて相談したところ「初産婦は誰でも当たり前に例外なく100%ハサミを入れる」とほざいた。とんでもない無理解だと転院したが、その病院を信頼して出産した友人はカルテしか見ない姿勢が招いた医療過誤の為に母子共々死にかけた!(破水後、46時間放っておかれたのだ。カルテに記入された時刻が間違いだったそうだが、患者の体調を一目見れば「何かおかしい!」とわかるはずだ)

最終的に私のお世話になった医院は母体と赤ちゃんの準備が整うまで、医療介入をせずに「待ってくれる」医師が揃っていた。
おかげでまったく自然に、痛みも最低限で、ほとんど苦痛無く出産出来た。
しかも出産直後からほぼ普通の日常生活に復帰出来た。
「自然の摂理」に従えば「誕生」に大きな苦痛は伴わないと強く確信した。
本作の中でも長野先輩は「待てる医者になれ!」と語っている。
おそらく「終末」も「自然の摂理」に従う事が大きな苦痛を避ける正しい方法だと信じる。

本作を観て、我が子達に介護の負担はかけられないな、と改めて思った。
今のうちから健康に留意し、万が一介護が必要になった時には、延命ではなくて緩和ケア用の施設に入所かなぁと思う。その為にもリビングウィルは書いておかねば。まぁ、まだ先の話ではあるが。

あまり期待せずに観たが、個人的には「けったいな町医者」よりも本作の方が響いた。(おそらく監督の力量の差の為でしょう)
前半・後半の対比が非常に良く、現代医療の問題点と、人間の尊厳について強く訴えかける良作であった。

宇崎竜童演ずる本多さんの川柳モドキノート、全部見てみたい(笑)

pipi
NOBUさんのコメント
2021年3月28日

こんにちは
 多額の健康保険料を毎月払っている事に腹が立ち、健康保険組合の理事長に”どういう事だ!”と昔聞いたら、”高年齢の方の薬代が半端なく、健康保険組合は破綻しているんだ!”と逆襲され、イロイロ調べて、健康寿命80歳(ついでに、歯も8020を目指しています。)のために、酒と映画と本以外は体を動かす事に余念のないNOBUです。
 この映画からは、今更ながらイロイロと学びました。至った結論は”クスリを矢鱈と飲まない、タクシー使わず出来るだけ歩く、スポーツサイクルに寒くても、週末は乗る、エスカレーター使わない。”です。あと、35年続けられるか、分かりませんが・・。(年齢がバレますが、このコメント直ぐに消えますから・・)
 心配なのは、酩酊して車に跳ねられることかな・・。(多額の保険金が入り、家人の喜ぶ顔が脳裏を過ります・・。)

NOBU