「道筋がちゃんとしている」スケアリーストーリーズ 怖い本 maruさんの映画レビュー(感想・評価)
道筋がちゃんとしている
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個人的にホラーものを観るとき、「死に方」がおかしいとちょっと冷めてしまう。
例えば、ゴースト(=透けてる)なら、工事現場のハンマーが落ちたり、車道と歩道の信号を操作して事故を起こしたりして死ぬような「間接的な殺し方」はOKだが、ゴーストがナイフ持って追いかけてブスッと殺すと冷めてしまう。
今回は、本に「書かれたことが本当になる」ということで、殺害方法は「案山子が動いて農具で刺し殺す」や、「蜘蛛が頬っぺたからあふれ出る」など、ゴーストが受肉のような形で現代に降りてきて、「直接的に殺す」方法となっている。
映画「ミスター・ガラス」の人格のように、人は、「思い込みや想像」で精神だけでなく、見た目そのもの、能力値や体つきすら変えることができる。…と言われている。
地下に監禁されてたサラは、ゴーストになってなお、家族への怒りのエネルギーが収まらず、地下室の部屋に入ってきたものへその怒りを向け、物語を書き続けることを止めない。
サラは、ゴーストであるが「強い怒りと殺意=強い想像力となり「物語」を生んでいる=強すぎるイマジネーションは“存在=案山子や蜘蛛や指を無くした奴など”を作り出す」…ことで、現世の人間に攻撃できている。
直接的な方法にみえて、実は、イマジネーションで殺している。物語、起承転結が描ける時点で、殺意だけがあるわけじゃないので、ラストシーンでステラとの会話が成り立つのがわかる。
とても観やすいホラー映画。
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