「日本語版ではわかりにくいですが、裏にある背景があるとわかりやすいかな。」2分の1の魔法 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
日本語版ではわかりにくいですが、裏にある背景があるとわかりやすいかな。
「ふりふら」と一緒に見に行ってきました。
さて、こちら。指摘されている方は結構少ないのですが、アメリカ独自の文化が背景に隠れていて、それを把握しているかどうかでやや理解度が変わります。
最初に「ボードゲームをやっている」と言っているのですが、そこに映っているのは大量のダイスにミニチュア。ここからわかるのは、アメリカ文化では珍しくない、いわゆる日本でいうTRPG(日本では、クトゥルフの呼び声、などがよく知られる)です。
吹き替え版では(下記参照※1)「ボードゲーム」と言っているのですが、日本ではTRPG文化はまだ普及していないので、仕方なしというところでしょう。
エンディングの謝辞でも「モンスターの構想などで許諾をくださった、D&D(ダンジョンズ・ドラゴンズ=海外では非常にメジャー。日本でも根強い人気がある)の版権を持つWizrds of coast 社(=出版している会社)に感謝します」という趣旨のクレジットが出ます(この部分は日本語化されていない)。
こういう背景があることがわからないと、映画としては十分楽しめるのですが、日本の同じような冒険ものファンタジーアニメの展開とやや違う、このアメリカ文化(TRPG=海外では単にRPGというと、テレビゲームではなく、TRPGを指す)独自の展開の違いがわかりづらいです(ややもすると、単調にすぎる、という評価になりうる)。
減点要素は下記の0.7です(4.3から4.5に切り上げています)。
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0.5…上記のような事情があり、どう考えても「ボードゲーム」とは言わないもの(日本でボードゲームというと、最近はボドゲカフェとかもありますね)を「ボードゲーム」と言っていたり、上記のような文化の違い(日本に配慮して訳を入れ替えている)を反映した翻訳・吹き替えになっておらず、んんん???となりかねない点(突然「ボードゲーム」と言い始めるので(どう譲歩してもカードゲームでは"ありうる"とは思うけど)、「そりゃボドゲじゃないでしょ」というのも、そういう文化の違いに配慮して入れ替えている、という「大人の事情」を理解しないと、翻訳ミスかという話になる)
また、この背景が隠れているため、海外のそうした文化(アメリカでは、日本でいうTRPGは、単にRPGと呼ばれていて、アメリカの中学高校生は必ず触れる文化)がいたるところ隠れているのですが、その点が消化不良になりかねないところ。
※ これらのことは、海外の評価サイトでは多くの方が評価で触れられていることで、また映画の紹介サイトでも(公式)「子供がRPG(日本でいうTRPG)を遊んでいたら…」とストーリー紹介があるのですが、日本語版サイトではカットされちゃったようです。
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0.2…この映画、字幕版と吹き替え版があるのですが、こちらの地域、とにかく吹き替え版を推したいらしく、字幕版が妙なほどに変な時間帯にしか設定されていない(地下鉄終電5分前に終わる設定の時間帯とか…)ところ(普通、半々以上に設定されるのが普通と思うのですが、明らかに吹き替え版のほうが放映回数が多い)。
字幕版を見られちゃ困る大人の事情でもあるのでしょうか…(この点は他の方も触れている点ですね)。
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