「希望なき絶望の中で見る夢」少女は夜明けに夢をみる bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
希望なき絶望の中で見る夢
英語タイトルは"Starless Dreaming"。「星なき夜に見る夢」あたりが直訳。少女達の口から語られる、重い、重い、重い話の連続に気は滅入るばかり。
娘に売春をさせた金でクスリを買う父親を持つ少女の言葉。私はゴミの中で育てられた少女。あなたの娘は愛情を注がれて育てられた。
大好きだった父親を殺した少女は言う。痛みが四方の壁から溢れて来る。一人では抱えきれない。この身体には入り切らない。
どんな時代であっても。如何なる境遇にあっても。ほんの少しの希望が有れば、人は生きて行ける。生きようと思う。塀の中で、彼女達は痛みを分け合い、絶望を共有することで孤独から救われ、何とか生きている。むしろ塀は、絶望から彼女達を守る防御壁な訳で。そこに希望は無い。夜空に、星なんか見えないよ。
釈放され外に出て行く少女達は、必ずしも幸せそうな顔をしていない事が悲しい。
夢は死ぬ事だと話していた少女は、家族の理解を得て愛情を取り戻して言う。夢は生きること。
星なき夜に、夢などない。私達は、誰かの星になれる者として生きて行かなくては、って思いました。
物凄く刺さってしまって。
良かった。とっっっっても!
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