「タイトルなし(ネタバレ)」HOKUSAI 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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今日(2025/09/24)、2日に分けて観終わりました。
葛飾北斎の半生は、林家あんこという噺家さんが展開している『北斎の娘』から興味を持っていました。本作にも北斎の娘(お栄=応為)が登場します。
江戸時代のアートの世界は、幕府の抑圧が甚だしく、とても窮屈そうでした。そんな中でも自由を貫く絵描きがいて、同時に侍でありながら物書きをする者もいました。本作は実在の浮世絵や、登場人物を介して当時の悲喜交々を垣間見る事ができます。
プロローグから暫くは、少々安っぽさを感じてしまい集中できませんでした。二章以降は年月が突然飛ぶのでびっくりします。個人的には晩年の北斎(田中泯)の姿が印象深く、豊かな表情の変化など興味深く観ることができました。
卒中で倒れ、利き手が不自由になる場面や、その後回復してひとり旅を始める姿や、赤富士を目の当たりにする場面が印象的でした。
物書きが粛正された後の北斎の作品には、血の気が引きました。それが世に出た時、彼がどうなるかも。
長い映画で中弛みはしましたが、なんだかんだ勉強になりました。
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