劇場公開日 2021年1月8日

  • 予告編を見る

「泣いて、笑って、感無量!!」銀魂 THE FINAL おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0泣いて、笑って、感無量!!

2021年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

銀魂との出会いは、テレビアニメです。満載なギャグの裏側で、きっちりシリアスなストーリーを進め、熱く心を揺さぶる内容に、一気に虜になりました。原作未読で、テレビアニメも全話視聴済みではないですが、銀魂の世界観が大好きで、本作の公開を楽しみにしてました。そんなファンが多いと見え、田舎の劇場なのにほぼ満席で、改めて銀魂の人気を確認しました。

今回は、舞台挨拶ライブビューイング付きの鑑賞で、主要キャラの声優陣と監督を迎えて、貴重なトークを聞くことができ、上映前からテンションが上がりました。中でも、杉田智和さんの「継ぎ足し続けた秘伝のタレのような」というフレーズが、自分にはとてもしっくりきて、まさにという感じでした。息のあった楽しげな現場の様子が垣間見えるような楽しいひとときでした。

そして、いよいよ本編。もう冒頭から、思いっきり笑わせてくれます。一見さん向けのあらすじ紹介の体をなしていますが、実際はただふざけたいだけで、笑えてまったく内容が頭に入ってきません。キャラデザからBGMまで、まんまパクリの本気の悪ふざけっぷり!これぞ銀魂!

その後、いよいよ虚との決戦の舞台へ。ここからは一転してシリアス展開。銀時、桂、高杉の共闘が熱く、まさかこんなに早々と泣かされるとは思いませんでした。逆に、一見さんは早々に置いてきぼりになったのではないでしょうか。

アクションシーンの見どころも多く、スクリーン狭しと暴れ回るハイスピードバトルは、劇場版ならではです。その一方で、主要キャラの見せ場もきちんと描かれていました。特に、目の表現がとてもよかったです。虚と対峙した時の高杉の目の変化は、セリフ以上に心情を物語っていました。また、虚に最後の一太刀を浴びせる直前の銀時の目は、悲しく、寂しげで、それでいて決意と覚悟が読み取れるようで、とても印象的でした。

そんな場面を盛り上げる音楽も、これまたよかったです。特に、SPYAIRの「轍~Wadachi~」が本当にマッチしていて、胸に響きます。もはやCM等でパブロフ化されているのかもしれませんが、流れるだけで泣けてきました。

本作はファイナルと銘打つだけあって、最終決戦が描かれるため、メインストーリー上でのギャグは控えめで、ほぼシリアス展開です。でも心配無用。決戦後に、これまでの我慢を取り戻すかのような怒涛のギャグ連打!エンドロール後のおまけも抱腹絶倒もの!期待どおりの出来栄えに、泣いて、笑って、感無量でした。ただ、惜しむらくは、作画がやや不安定だったことです。なにか理由があるのかもしれませんが、できればそこだけは修整してBlu-ray化してもらえたらなと思います。

おじゃる