シン・ウルトラマンのレビュー・感想・評価
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時代性とのシンクロがみごとです 大ヒットするのは当然のことです オタクが喜ぶ単なる怪獣映画 それにとどまってはいないのです
想像以上でした
大満足です
今までオタクの脳裏で補完されてきたようなことが、巨額の予算とスケジュールで満足できるクォリティーで公式となった
そこに意義と価値があると思います
夢が叶った
生きてきて良かった
そう思える出来映えです
さすがは庵野&樋口コンビ
冒頭から目の覚めるような豪速球です
まず、ウルトラマンとはウルトラQと一体であることが提示されます
ウルトラマンを初めて体験するためには、ウルトラQ をまず体験していなければならないという強烈なメッセージです
全く我が意を得たり!膝を打つような思いです
ウルトラQ のタイトルの背景の不思議な空間は、多元宇宙らしいこともさりげなく示されています
今回の物語はベーターカプセルを中心に展開されます
ベーターカプセルについて深く考察したことがなかった自分にとり、さすが庵野秀明!と喝采しました
ウルトラマンや外星人がなぜ巨大化する事が自在に可能なのかについて納得の考察でした
山本耕史のメフィラス星人は見事に尽きます
メトロン星人のちゃぶ台談義に匹敵する居酒屋談義
伝説のシーンとして末長く語り草になるであろう名シーンでした
オリジナルのメフィラス星人登場回のフジ隊員の巨大化をそのまま踏襲して、禍特対の浅見分析官が巨大化しています
しかし、自分にはウルトラQの第17話「8分の1計画」を思い出しました
江戸川由利子はこのときのスカート姿でした
逆に小さくなっているのですが
モチーフは同じことです
何故に浅見弘子のスカート姿を、下から仰ぎ見るアングルで際どく撮るのか?
なぜに彼女は自分のヒップを叩くのか?
セクハラではないのか?
昭和の価値感ではないのか?
このような批判が集中しているようです
庵野&樋口コンビはそんな批判を受けることは百も承知してのことだと思います
というか敢えて批判させるように仕向けているとさえ思います
無自覚なセクシーシーンとか、無自覚なセクハラそんなことあろう訳がありません
それは21世紀に於いては、個々の価値感が巨大化して、我こそが正しい、現在の価値観で過去を罰する、それこそが正義であり、それに合致しないものは全てをなぎ倒しても許される
そのような風潮を表現しているのだと思いました
メフィラス星人の心理的侵略とはこういうものだという表現でもあるのです
自分には、巨大な釣り針に見えたのです
賢しげにセクハラだと批判すると、見事に釣られてしまうという仕掛けです
時代性の反映が効いています
禍威獣
怪獣ならぬ禍威獣
禍々しい威力のあるけだもの
科学特捜隊ならぬ禍威獣特設対策室、略称は禍特対
なぜ漢字を変えたのでしょうか?
別に怪獣であってもリアリティーは損なわないと思います
問題は「科学特捜隊」だったと思います
21世紀に実在する組織名としてはナンセンスな名称です
しかし「カトクタイ」という略称はどうしても使いたいという縛りがあります
怪獣のままでは「カイトクタイ」になってしまいます
だから一文字で「カ」と発音できる座りのよい漢字を持って来ないとならないのです
だから禍なのだとおもいます
禍はコロナ禍の禍だからです
21世紀の怪獣はコロナ禍として現れたのです
1950年代のゴジラは原水爆への恐怖の形
1960年代のウルトラシリーズの怪獣は突き詰めると文明の進展で変貌してしまう社会への恐怖の形でした
ならば、2022年の恐怖の形として、コロナ禍を避けることはできません
そして製作スケジュールからみてウクライナ戦争は本作に取り上げようがなかったと思います
しかし、不思議なことにメフィラス星人の侵略はウクライナ戦争と連動していると感じてしまうのです
2022年の時代性を濃厚に反映していると感じるのです
ウクライナ戦争、台湾や北朝鮮の有事
侵略は水面下でヒタヒタと身近に迫ってきている
その恐怖の形がしっかりと反映されていました
それは外星人という単語です
従来は宇宙人や異星人、○○星人でした
それが外星人で呼称が統一されています
外星人という言葉の使い方はオタクの間でも珍しいものです
自分にはとても耳につきました
外国人、外星人
考えれば普通にありえる造語のようですが、これまで使われた事例は思い当たりません
本作ではとても意図的に作られ選択された単語であると思います
1966年と2022年の相似形
冷戦とベトナム戦争
新冷戦と近づく台湾尖閣有事、北朝鮮有事、そして始まってしまったウクライナ戦争
矛盾に満ちてどうにもならなくなった世界
何か抜本的な解決策を社会が渇望するとき
その時、現れるのがウルトラマンなのです
なんという見事な解釈なのでしょうか!
ならばウルトラマンに全て任せて他力本願でよいのでしょうか?
そうではないはず
本作の終盤の展開のように打開策を求めて自ら戦うのは私達なのです
ウクライナも自分達だけでロシアの大軍に立ち向かっているではありませんか
逃げちゃダメだ!
本作もやっぱりそれがテーマだったのです
本作の公開が延期され、2022年に公開されたのは必然だったのかもしれません
時代性とのシンクロがみごとです
大ヒットするのは当然のことです
オタクが喜ぶ単なる怪獣映画
それにとどまってはいないのです
いい意味で裏切られた。
映画の醍醐味を味わった
私は初代のウルトラマンも樋口監督や庵野監督の作品もエヴァも(シンゴジラだけ見た)ほとんど見たことがないので比べようがありませんが、純粋に楽しかったです。
人間と外星人の知識や技術力に怖さも感じましたし、その中でもメフィラスとの戦いが一番興奮しました。禍特対のチームで闘ってる様子がもっと見たかったな。長澤まさみさん演じる浅見さんが空中キャッチされる瞬間が面白い、なんかウルトラマンのキャッチする仕草に優しさがあって好きなシーンです。あと斎藤工さん演じる神永さんの無表情からの微笑みも良かった。有岡さん演じる滝さんはちょっと演技が残念で気になってしまったけど。
帰ってから一緒に観た家族と語り合ってしまった。これが映画の醍醐味ですよね。古いとか新しいとかは関係なくて、笑ったり興奮したり、自分が楽しめるかどうかが大事で映画の素晴らしさだなと思いました。観に行って良かったです。
全然おもしろくなかったです
ウルトラマンはよく知らない、シンゴジラとシンエヴァンゲリオンがとてもおもしろく、庵野さんが好きになったから観に行きました。期待値は上げてなかったつもりです。
一言でまとめるとおもしろくなかった。
カイジュウがどんどん出てきて最初にウルトラマンが登場したところまでは良かった。シンゴジラの感じを期待してこの先どうなるのだろうと思ってワクワクした。
しかしこの直後、長澤まさみ演じるキャラ(名前も頭に入ってこない)が登場したあたりから空気がおかしくなる。一応この時点でシンゴジラ的な構図ではないと理解し、頭を切り替えたがそれでもダメだった。
・全てが冗長でテンポが悪い
・カメラワークがくどい、隙間から見るような意味深な構図は意味があるところでやるからおもしろいのに、多発されるとただただ鬱陶しい
・対策チームの人となりや関係性が何も描かれてない、分からない。数少ない隊員が1人無断でいなくなるのに『単独行動か』で済ませるって、どんな職場?ほんとに社会人か?
・人間性や関係が描かれないままバディだ相棒だと口先だけで言われても何の感慨もない。鬱陶しさが増す
・そんなんだからウルトラマンを始めとする登場人物に愛着や親しみが湧かない。
・人間の魅せ方が下手。全てが口だけ。行動や場面が伴わないか貧弱で、それを補うようにセリフで説明しようとしてるだけ。感情移入できない。
・政治的なやり取りがつまらない。しかも敵が現れて問題が起こるたびに国際社会ガー、条約ガー、と同じやり取りを繰り返すばかりで退屈。
・伏線がないかあってもしょうもない。特にあのチームの若い男が絶望して立ち上がるシーン。「人類の知性なんて」って何度も口で呟くだけの人がいきなり落ち込んでもだから何?って感じだ。全く共感も感動も湧かなかった。
・小難しい単語が並ぶばかりで考察したいと思うほど引き付けるものがない、そう描けてない。
・ウルトラマンが上位存在すぎておもしろみがない。無表情が怖くて最終的には気持ち悪いと思った。感情がないのはいい。それが上位存在だし。しかし人間を知るのに用いるのが本。そこもまだいい、知識は大切だ。けどそれ以上のことを知らないまま、言葉で説明されたことをただ受け入れるだけって本当に上位存在か?具体的な行動や感情の交流が描かれないままで、あのメンバーをよくそんなに信頼できますね?って感じだった。
・全体的にシンゴジラの劣化版
思いつくまま羅列しただけですが、ツッコミどころ満載でストーリーは退屈です。
セクハラシーンは前時代的で「これぐらいなら大丈夫でしょ?」ってチラチラ目配せされてるみたい。不愉快でしたが、あってもなくても作品の出来には関わらないと思うので評価する価値もないって感じです。
今まで見た中でワースト1と言っていいほどの出来でした。
これ庵野さんが作ってないと思います。脚本作って設定や箱を整えただけ。画面で訴えてくるものが何もないですよ。
庵野さんが作ったら公開4年後で3時間20分の大作、内容の充実度も違ったと思います。
「強いて言うなら銀色の巨人」
あのキャラは関係ないのね?
竹野内豊がシン・ゴジラに続き今回もキャスティングされていた。前回の演じたキャラとは違うらしいが、また政府の目立たない有能な男みたいなキャラ。高橋一生も声のみ出演していたらしい。高橋一生はどの声だったのか誰か教えて下さい(-_-;)
映画はシン・ゴジラの方が解りやすくて面白かった。
誰から見たら?
満足満足
自分は初代ウルトラマンの放送が、始まった年に生まれました。というわけで本家の初見は再放送ですが、子供時代に多大な影響を受けたのは間違い無いですね。それが令和の世に映画となるとは、思いもかけないボーナスをもらったようで、感激もひとしお。
ストーリーは本家からの抜粋に、現代風のリアリティを足してオーバーライドした感じ。話の展開もオリジナルストーリーを踏襲しつつ、アレンジするところはしっかりアレンジして、1本の映画としてもきちんと成立しています。画面を通して感じる雰囲気が、本家の印象に忠実で、制作側の意気込みとこだわりを感じた。
画づくりは、本家の定番、顔面大写しのパターン中心の、緊迫感漂うシーンや、浮遊感のある異星人のシーンなど、昔の雰囲気を残しながら、現代の技術で違和感なく表現していて、好感が持てた。固定電話の着信音や、浮遊音など、効果音もそのまま再現されていて、ああ、コレコレ、と懐かしくなりました。
旧作はCGが無いので、子供ながらに少しダサい特殊効果が気になってましたが、今回作品が現代に蘇ったことで、スッキリしました。まあ、大人になってみると、旧作はそのダサさもまた良いのですが。
ネタバレになるので触れにくいですが、個人的には、「巨大化」と「ゼットン」の裏ストーリーに感激です。本家見ていた人には、絶対おすすめ。そうで無い人も、本家の正当なイメージが伝わるので、楽しめると思います。
今年は「シン仮面ライダー」もあり、楽しみが増えますね。
帰ってきたぞ、ウルトラマン
特撮かCGかは置いておいて、楽しい2時間!
冒頭の情報をコレでもかと突っ込んでくるシーンで庵野だな、庵野だな、と嬉しくなります。
斎藤工、西島秀俊のイケメン公務員がたまりません。斎藤工がウルトラマンになってからの変わり様に他の面子は疑問を抱かないのか、とツッコミたくなるし、有岡くんのダサさとVR会議で数式を口述するアナログさは呆れましたがそれも日本人らしくていいか。
全体的なストーリーとしては、環境破壊により復活(起動?)した戦略怪獣(面倒許せ)から地球を守るためにやってきたウルトラマンだが、戦いの最中に斎藤工と融合。それがきっかけで地球人が巨大化に耐えうることが分かり、他の知的地球外生命体が地球を狙ってやってくる。ウルトラマンは撃退に向けて科特隊(許せ)と共闘するが、ウルトラ警備隊のゾフィーが出現。ゾフィーは地球人の兵器転用を危惧し、地球消滅のために兵器ゼットンを送り込む。一度はゼットンに敗れるウルトラマンだが、地球人の助けを得て再びゼットンに戦いを挑む。
その間に長澤まさみがやたらと太ももを出して大きくなったり小さくなったりするんですが、個人的に長澤まさみさんあんまり好みじゃないんですけど、世の中的にはサービス満点です。美人の使い方それかい、と思いつつ、SNSへの皮肉など現代をよく表していると思います。
ウルトラマン自身は斎藤工との融合後は本を読み漁り、人間は分からんと言いつつも合理的ではなく利他的な面もある人間に惹かれていきます。
最終的に斎藤工が死ぬなら俺が死ぬよと死んでしまうウルトラマンですが、果たして斎藤工はそれまでのことを覚えているのかいないのか。いずれにしても長澤まさみとの絆みたいなものはなかったことになるのか。気になる。
ウルトラマンを知らなくても楽しめると思うし、特撮シーンと呼べるようなシーンはそれほど多くないので、違和感を感じつつも特撮初心者でも楽しめると思います。
メタウルトラマンとウルトラセブンのアングル
艶かしいウルトラマン
1.ネロンガの名前ちゃんとおぼえてました。忘れてなくてほっとしました。
2.ガボラ。なに?あのドリル。すごいね。先に名前言われちゃった。でも大丈夫。ご開帳待ってました。ヒレ短いね。小顔だし。ウルトラパンチ一発でやられるとは。
3.メフィラス星人は憎たらしいくらい残虐で狡猾だった記憶があるが、優しくなってた。山本さんのキャラ?異星人同士が居酒屋でなかなかオツなもの食べながら、酒を酌み交わす場面に和みました。
4.ウルトラマンにカラータイマーがなかった。肋骨が浮いたりして、体が艶かしくなっていた。足が長~い。顔はあっさり味だった。
5.長澤まさみが巨大化したのはフジ隊員のパロディ?パンチラNGなんでしょうね。ちょっと残念。シャワーなんか浴びなくていいですよ。さすがちょっと抜けてるウルトラマンの神永(斉藤工)は臆面もなく嗅いじゃう。昔は好青年だと勝手に思っていた斉藤工さんは着実に変態オヤジに進化しつつありますねw
6.セリフが小難しかった。所々、とても古臭~い表現や四文字熟語。科学特捜隊のカトクタイが禍威獣特殊対策班のカトクタイになっていた。お役所くさい。制服ないし、ほぼほぼデスクワークだし。ダメでしょ。自分からバディなんて言っちゃ。
7.流星バッチにアンテナがついてなくて、通信機能なし。スマホ、SNS時代では不要?悲しいね。オシャレな社員バッチや議員バッチみたい。
8.嶋田久作は最近、総理大臣役が多いような。総理の夫を思い出した。他国に先を越されないようザラブ星人と条約締結を急ぐ様は長いものには巻かれろ丸出し。気になったのは日本はどこかの国の属国とはっきり言うセリフ。竹野内豊だったかしら?56年前のウルトラマンのときの未来への希望と正義はどこへやら。
9.日曜日のレイトショー。若者に混じって、同年代のオヤジ数名を確認。なんかお疲れだったご様子。
壮大なスラップスティック
映画「シン・ゴジラ」を鑑賞したときのような感動を期待したが、何故かしら、何も感じなかった。樋口真嗣監督と庵野秀明さんのコンビは同じなのに、本作品には「シン・ゴジラ」にあった重厚感がない。ずっしりした革ジャンとペラペラのウインドブレーカーくらいの差がある。
「シン・ゴジラ」で唯一違和感を感じたのは米大統領の特使カヨコを演じた石原さとみである。演技がどうのというよりも、若すぎたのだ。カヨコ以外は、長谷川博己が演じた主役の矢口蘭堂官房副長官をはじめ、それぞれに人間的な深みがある役だった。そしてカヨコも矢口蘭堂との関わりの中で、不安や恐怖を吐露し始め、骨太な人間ドラマとしての作品を支えることになる。
本作品で長澤まさみが演じた浅見弘子がカヨコに似ていた。しかしカヨコが次第に世界情勢が絡む問題の本質を理解し始めるのに対し、浅見弘子はずっと同じノリである。人間的に軽いままなのだ。その軽さが、本作品そのものの軽さとなってしまった。
主演の斎藤工や有岡大貴、早見あかりはそれなりに頑張っていたが、いかんせん浅見弘子の軽さをカバーするまでにはいかなかった。長澤まさみはスタイルのよさが取り柄みたいな変な展開には違和感しかない。
もしかしたらギャグ映画だったのかと、はっと気づいた。ウルトラマンと宇宙人が日本の居酒屋で交渉をしたり、宇宙人と総理大臣が書面の覚書を交わしたりするのは、たしかにギャグだ。であれば、長澤まさみのアホなシーンも頷ける。本作品は壮大なスラップスティックなのだ。
今年最大の期待値
出演者の饒舌がとても愉快!
なんと言っても、楽曲が良い。米津の歌を聴いていると、宇宙への想像力がどんどん湧いてきそうです。ストーリーは地球が支配もしくは管理、はたまた滅亡されるという状況に翻弄されかかりますが、斉藤と長澤他が撃退するというものでした。とはいえ、ウルトラマンに対する免疫ができている私たちには、とってもわかりやすくて、愉快この上ない作品でした。思えば、私たちは宇宙に関して科学的にはほとんど無知です。ただ、先人たちの直感やチャネリングでしか得られない情報で想像するしかありません。そのベースの上に立ったウルトラマンは、やはり地球を守る偉大な地球外生命体としか言えませんが、私たちのヒーローであることは間違いありません。長澤の痛快な演技と、女性らしさが眼福になるとともに、饒舌なまでの役者たちの台詞にハマってしまうところ、なかなかの面白さがありました。そして、私たちを守ってくれるウルトラマンに改めて敬礼したくなりました。
1話30分原作の映画化とは。
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