劇場公開日 2022年5月13日

「上出来のリブート」シン・ウルトラマン バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 上出来のリブート

2025年8月30日
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鑑賞方法:映画館

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個人的に『ゴジラ』よりも『ウルトラマン』派なんだが、『シン・ゴジラ』が全然ダメだったんで不安だったけど杞憂に終わりました。序盤はまたやたら人物のアップの多い構図と、わけわからん難しい言葉を散りばめた怒涛の台詞量、いかにも「これ台詞です」みたいな不自然な台詞回しで、またあんな出来か?と危惧したが、ウルトラマンが出てきたあたりからは上手く落ち着いて、普通に面白い空想特撮映画になっていた。

出てくる怪獣や宇宙人のチョイスがシブい。メフィラス星人やザラブ星人やゼットンはともかく、ネロンガにガボラって。あと最初に次々出てくる『ウルトラQ』の怪獣たちも。だが、そこが良い(笑)。ただ『ウルトラQ』のゴーガ(カタツムリとサザエの合の子みたいなやつ)がカイゲルとかいう名前になっちゃってたのはなぜ? あと巨大長澤まさみが面白かった。元祖のメフィラス回「禁じられた言葉」での巨大フジ隊員のオマージュですな。

そのメフィラス星人役の山本耕史が大怪演。NHK時代劇『陽炎の辻』シリーズで主演したあたりからグッとよく見るようになった気がするし、大河ドラマ『平清盛』での切れ者公家・藤原頼長役も良かった。ただ、このメフィラス星人役のインパクトが強すぎたのか、どうもそれ以後は怪演俳優になっちゃって少々鼻につく演技になってきたような……。主演の斎藤工とあからさまにウルトラマンとメフィラス星人を思わせるCMにも出てたしなあ(笑)。その斎藤工をはじめ、他の俳優陣もみな好演。ウルトラマンファンとしても、まずは大満足の出来でした。

バラージ