「大人向けでも、子供向けでもない、あくまでマニア・ファン向けな作品」シン・ウルトラマン TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
大人向けでも、子供向けでもない、あくまでマニア・ファン向けな作品
71年生まれの私にとっては、「昭和第2期ウルトラシリーズ」の最終シリーズ『ウルトラマンレオ』ですら初回放送は3、4歳頃で、『ウルトラマン80』より前のウルトラマンシリーズは再放送で観た世代です。そして、通して観た覚えがあるのは『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』くらい(ただし、30年以上前)で、正直、ウルトラマンシリーズ、或いは特撮全般に愛があるわけではありません。
また「エヴァンゲリオンシリーズ」は全く観てこず、アニメ自体もあまり多くは観ないこともあり、庵野作品についても特別な意識を持っていません。
と、冒頭から「大逃げ」を打っておりますが、総評としては「大きな期待を持っていたつもりはないが、残念ながらそれすら下回ってきた」という感想。
おそらくはオリジナルへのリスペクトと多くのオマージュが含まれており、それを正しく理解、共有できる方には楽しめるのであろうと思いますが、『シン・ゴジラ』のような万人にも楽しめる部分はけして多くありません。
非人間との距離感が極端に近い政治家らと、あまりにも遠い一般人。いくら何でもその被害状況に対して、現実味がなさすぎる社会情勢や言動に、カタルシスどころか理解がついていきません。
ちなみに今回、幼いお子さんを連れた親御さん2組お見かけましたが、一方は序盤からお子さん飽きてしまったらしく…途中で2回退場されその後戻られず。でも、もう一方のお子さんは終始静かだった上、終了後のお父さんの「面白かった?」の質問に「うん。ウルトラマンかっこよかったし」と。こういう子が将来の特撮エリートになるのかも。
ところで、観終わって「メインどころに、一人しらない男性がいたな」と思って調べると、あああ。どうも各映画レビューサイト総じて評価が高めなのは、彼(ら)のファンも影響しているようだ。ちなみに、今後も俳優業続けるつもりなら「もう少し頑張りましょう」かな。ま、作品の出来はこの人一人の問題ではない(影響力は小さい)ので、これ以上厳しいことを言うつもりはありません。
ただ一つ付け加えれば、これ配信などで初見として観たらより評価に影響しそうなので、興味があるのなら是非劇場でどうぞ、かな。勿論、よそのお子様がぐずっても大きな心でお願いします。