「企画?脚本?編集?」シン・ウルトラマン キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
企画?脚本?編集?
いやいや、終始庵野さんのテイスト満載じゃん、と思ってエンドロール見てたら、あちこちに名前が登場して、案の定最後に「総監修」の文字。
なるほどねぇ。
ウルトラマンについては何度も再放送で見て、ウルトラマン消しゴムやソフビを集め、「ウルトラ怪獣大百科」や有象無象の書籍で怪獣の内臓の機能まで把握していた我々世代にとって、また、これまでの庵野作品を舐め上げるように堪能してきた我々ファンにとっては、これほど心をくすぐられた作品もない。
シン・ゴジラもエヴァもトップも…
その片鱗が姿を見せる。
なんと憎たらしい…
確信犯的に仕掛けられた「突っ込みシロ」とでも言うべきか。
ひとつひとつのポイントについて仲間と語りたくなる作品。
そのくらい、個人的には楽しめた。
ただ、冷静に単体の映画としてはどうか。
もちろん私に「庵野作品を客観的に観る」などということは不可能な訳だが、ウルトラマンや庵野作品に馴染みがない方々には、単純に「スベってる」と捉えられやしないかと心配になる。
野暮は承知だが、ソフトが発売されたら、副音声で解説があるとさらに楽しめそう。
特撮、特にアクションシーンは後半にもう少し激しさが欲しかったかな。
CGでの描写は今回は裏目に出てる気がしてしまう。
全体に一貫した流れがあるようでいて、結局はオムニバスっぽいつくりになっているので、シーンの一つ一つに「意味」を見出だせないとバラバラの印象を持たれてしまうかも。
そういう意味で万人ウケするとは思いにくいが、まあ、ワケ知り顔でニヤニヤしながら観てる映画ってのもそれはそれでファンとしては楽しい。
エヴァ、ウルトラマン、仮面ライダー…
次々と新しい庵野作品が摂取できるなんて、こんなに幸せな数年間もない。
今をしっかり噛み締めよう。