「全然おもしろくなかったです」シン・ウルトラマン NYBさんの映画レビュー(感想・評価)
全然おもしろくなかったです
ウルトラマンはよく知らない、シンゴジラとシンエヴァンゲリオンがとてもおもしろく、庵野さんが好きになったから観に行きました。期待値は上げてなかったつもりです。
一言でまとめるとおもしろくなかった。
カイジュウがどんどん出てきて最初にウルトラマンが登場したところまでは良かった。シンゴジラの感じを期待してこの先どうなるのだろうと思ってワクワクした。
しかしこの直後、長澤まさみ演じるキャラ(名前も頭に入ってこない)が登場したあたりから空気がおかしくなる。一応この時点でシンゴジラ的な構図ではないと理解し、頭を切り替えたがそれでもダメだった。
・全てが冗長でテンポが悪い
・カメラワークがくどい、隙間から見るような意味深な構図は意味があるところでやるからおもしろいのに、多発されるとただただ鬱陶しい
・対策チームの人となりや関係性が何も描かれてない、分からない。数少ない隊員が1人無断でいなくなるのに『単独行動か』で済ませるって、どんな職場?ほんとに社会人か?
・人間性や関係が描かれないままバディだ相棒だと口先だけで言われても何の感慨もない。鬱陶しさが増す
・そんなんだからウルトラマンを始めとする登場人物に愛着や親しみが湧かない。
・人間の魅せ方が下手。全てが口だけ。行動や場面が伴わないか貧弱で、それを補うようにセリフで説明しようとしてるだけ。感情移入できない。
・政治的なやり取りがつまらない。しかも敵が現れて問題が起こるたびに国際社会ガー、条約ガー、と同じやり取りを繰り返すばかりで退屈。
・伏線がないかあってもしょうもない。特にあのチームの若い男が絶望して立ち上がるシーン。「人類の知性なんて」って何度も口で呟くだけの人がいきなり落ち込んでもだから何?って感じだ。全く共感も感動も湧かなかった。
・小難しい単語が並ぶばかりで考察したいと思うほど引き付けるものがない、そう描けてない。
・ウルトラマンが上位存在すぎておもしろみがない。無表情が怖くて最終的には気持ち悪いと思った。感情がないのはいい。それが上位存在だし。しかし人間を知るのに用いるのが本。そこもまだいい、知識は大切だ。けどそれ以上のことを知らないまま、言葉で説明されたことをただ受け入れるだけって本当に上位存在か?具体的な行動や感情の交流が描かれないままで、あのメンバーをよくそんなに信頼できますね?って感じだった。
・全体的にシンゴジラの劣化版
思いつくまま羅列しただけですが、ツッコミどころ満載でストーリーは退屈です。
セクハラシーンは前時代的で「これぐらいなら大丈夫でしょ?」ってチラチラ目配せされてるみたい。不愉快でしたが、あってもなくても作品の出来には関わらないと思うので評価する価値もないって感じです。
今まで見た中でワースト1と言っていいほどの出来でした。
これ庵野さんが作ってないと思います。脚本作って設定や箱を整えただけ。画面で訴えてくるものが何もないですよ。
庵野さんが作ったら公開4年後で3時間20分の大作、内容の充実度も違ったと思います。