「子供の頃のワクワク感やロマンを思い出させてくれた傑作」シン・ウルトラマン しんかいぎょさんの映画レビュー(感想・評価)
子供の頃のワクワク感やロマンを思い出させてくれた傑作
私はウルトラマンは、全話を見た記憶がない。テレビでリアタイ視聴したことは何度かあるようだが、どちらかというとVHSでその当時保存されていた数少ないエピソードを何度も繰り返し見ながら、記憶の中にウルトラマンが植え付けられていったように思う。
テレビゲームのおかげもあって怪獣はいくらか覚えているが、実際に視聴した記憶が残っているのはバルタン星人やゼットンくらいかな、という程度。ゴモラ、メフィラス星人、ブルトン、そういったのは見ていなかったように思う。
そのため、今回、ようやくスクリーンでザラブ星人とメフィラス星人に会えたことが嬉しかった。また、昭和の時代に見ていた特撮のウルトラマンが、この時代にどんなカタチで蘇るのか期待していたし、実際あのころビデオテープで何度も見ていた時の楽しさがいままた蘇ってきたことにはほんとに製作陣にありがとうと言いたい気持ち。うまく現代の社会設定に合わせ込んだ出来になっていたように思う。
それでいて怪獣の、子供心をくすぐられたあの造形が映画の中で不自然なようでいて不自然じゃないというか、そういう不思議な感覚も、むかし見ていた時のままで良かった。懐かしいBGMもうまくマッチしていて映画を盛り上げてくれた♪特に、クルマの中でザラブ星人と会話するところのBGMが最高だった。
意表を突かれたのが、宇宙恐竜ゼットンが破壊兵器として登場したこと。ウルトラマンの攻撃を全く寄せ付けない絶望感が見ていて伝わってきた。
あと小ネタ的なところで言うと、冒頭ウルトラQと出るか?!というところで「シン・ゴジラ」と出てまさかと笑ってしまいそうにwあと最後のゾフィーとの会話も元祖の最終話を踏襲していて、そういうところも嬉しかった。
他に印象に残っているのは、映画冒頭で、ウルトラマンが初めて姿を見せるまでの人間と怪獣の戦いの概要をさらっと紹介する手法は、何年も前に映画館で見たパシフィックリムに通じるものがあると思った。