「追い歯磨き」his Miyuさんの映画レビュー(感想・評価)
追い歯磨き
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会話劇をやらせたら今泉力哉の右に出るものはいないな、と確信。
愛がなんだに比べると、映像には現実味やドキュメンタリー性を重視したように感じられてエモさやセンスをあまり感じられなかった。現代日本における同性愛についての風潮に一石を投じるような、現実的な作りの社会派の作品はあまり好きではなかったけれど、今泉監督ならではの空気感や会話、セリフなどが調和していてかなり心に残る作品だった。この映画を好きになれたのは、同性愛を認めろ!という強烈なメッセージが込められているわけではなく、現代の同性愛の問題について柔らかく訴えていたからなのかもしれない。
歯磨き粉のくだりがめちゃくちゃ好きだった。
藤原季節の若干の素人感や、村人たちの一般人感が映画全体に良い影響をもたらしている感じが心地よかった。そして、宮沢氷魚さんの演技がとにかく自然で、人間ぽくて、あの映画の主人公にふさわしすぎるほどふさわしかった。
白川町のみんなの優しさは、小さな集落の温かさを感じられてすごく良かった。「楽園」で描かれていた集落とは180度印象が異なっていて、興味深かった。
ラストの上からのカットめちゃくちゃ素敵。迅と玲奈が会釈したところで、現代的な愛の形を感じた、、
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