劇場公開日 2019年11月29日

「弁護士は、事件では犯人を弁護するが、離婚では善人を貶める。」マリッジ・ストーリー 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0弁護士は、事件では犯人を弁護するが、離婚では善人を貶める。

2019年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

結婚物語、ではなく、離婚物語。アメリカらしい夫婦関係。
「離婚は死人が出ない死だ。」の言葉は痛烈だ。これを見ると、離婚がいかに修羅場なのかに嫌気がさす。弁護士の、当事者第一の戦略はいかに相手を打ち負かして多くの分与を勝ち取るか。そこに、離婚後の二人の幸せは斟酌しない。なんてドライだ。なんて身勝手だ。なんて嫌らしいんだ。もうその気持ちばかりが先だって、全然気分がよくない。離婚の結論を選んだとしてもこの先の良き将来をと考えていたチャーリーに比べ、すでに伏線をいくつも張っておいてわが身の願望をすべてごり押ししようとしたニコール(少なくとも僕には言動が一致しないように思えて不快だった)。嫌な気分しか残らなかった。ラスト、ほう、客にぶん投げるのか、ああ、離婚てめんどくせえ、が正直な感想。あ、これは自分が男だからなのか?
アダム・ドライバーはまた好きなったけど。

栗太郎