「近代化が齎す涙」ホモ・サピエンスの涙 ordinalさんの映画レビュー(感想・評価)
近代化が齎す涙
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信仰(心/神)の喪失、戦争による死、中途半端な医療、労働、移動(電車、車)、管理社会、、、便利を追求したはずの近代化によりかえって問題を抱える人類の涙をいくつも見せられた。
スピードとダイナミズムを感じさせる文明の利器が、スローリーでスタティックなロイ・アンダーソンの世界においては全くもって有効活用され得ない。またその描写が日常におけるリアルで理不尽な状況の抜き出しだから皮肉である。
近代化の弊害の一例としてナチスを挙げていることは『啓蒙の弁証法』を著したアドルノの思想が意識され、寂れた街の上空を1組の男女が浮遊(飛行)するモチーフはシャガールの絵画から着想を得ていると考えられる。
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