「それでも鯉は鯉」彼女は夢で踊る kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも鯉は鯉
「テキーラは失恋の傷を燃やしてくれるのよ」と彼女は言った。ストリッパーの恋ってどんなだろ。観客を歓ばせ、夢を追う。神秘的でもある彼女たちの心。
高校時代、「わしはストリッパーのヒモになりたい」と言ってた同級生がいた。多分、彼はヒモになったのだろう。音信不通で誰も消息を知らなくなった。同窓会にだって一度も顔を見せたことがない。うらやましくもあり、哀しくもなる人生だ。「ヒマなのが仕事だ」とヒモの金ちゃんは言った。
そんなこんなで、ストリップ劇場へは行ったことがないので、昭和ノスタルジーを感じることさえなかった。何度も誘われたのに行かなかったのは、もしかしたら踊り子に恋をしてしまうことを恐れていたのかもしれません。
閉館詐欺とまで揶揄された広島第一劇場。サラという踊り子に憧れ、恋をして、そのまま劇場の社長になってしまった木下慎一郎。採算が取れないので閉館しようとするも、その都度観客が押し寄せてくる。いやらしいというより、芸術的に撮られているし、女性客だっている劇場。壁にキスマークつけるのは汚いよ・・・などと考えながらも、夢のステージにくぎ付けとなってしまった。
なぜか声が小さくてバランスが悪かったのが難点。唾を飲み込みたくてしょうがなかったのに、二つ隣の客に聞こえてしまいそうで怖かった・・・なんだか、少年だった頃、劇場に入りたくてしょうがなかったことまで思い出しました。
コメントする