劇場公開日 2020年10月23日

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「リップ・トリップ・ストリップ」彼女は夢で踊る カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5リップ・トリップ・ストリップ

2020年11月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

単純

広島の閉館の決まった第一劇場を舞台に青春映画を作れば、無くなっても映画のなかで永遠に残すことができると言い出したことがきっかけで生まれた。昭和生まれのオジサンを泣かせるほろ苦い映画でした。
面白いのは、お客が減り経営が思わしくなくなり、閉館サヨナラ興行を打つのだが、そのつどファンが集まり、2度も閉館を覆し、営業を続けた事実。ストリップ小屋あるある?周りからは閉館詐欺と揶揄されるが、軽い突っ込みのなかにも愛が感じられる。劇場の土地は賃貸契約になっていて、解約書類にハンコを押すのを何度もためらう。そういえば、冒頭の従業員に言うセリフが、先代の社長から言われたセリフそっくりそのまま繰り返される。先代の社長がもう閉館にしたいと思っていたが、主人公に継がせれば、自分は責められることはないと思った。だけど、お前はよくやってくれたという場面がありました。
リフレインが多用されるのが印象的で、回想シーンは可笑しみがありつつも、ジーンと来る。テキーラのシーンもそう。楽屋のシーンも。打ち上げのシーンも。壁のキスマーク💋のシーンも。そうやって、時の流れや人の入れ替わりを積み重ねて、主人公の心情をゆっくりと見せてくれるから、いつの間にかストリップ劇場の社長になった気にならせてくれる。
Radiohead のCreepは主人公(男限定だけど)を号泣させたり、叫ばさせなくても切ない気持ちを盛り上げてくれる名曲。松山千春の「恋」も反則といっちゃ反則なんだけど、劇場と一緒に引退しようとする矢沢ようこの気持ちをさりげなく後押しするもんだから泣ける。
加藤雅也のナレーションによる懐述と演技よかったです。 昭和にトリップしました。港の岸壁のあの場面、キレイだったなぁ。男の淡い初恋を引きずる物語。女にはわからね~だろうな~
深夜食堂の安藤玉恵やリリィの話しが好きな人にはおすすめです。

【特別付録:私のストリップ秘話】
私のストリップ初体験は札幌はすすきのだ。館名は覚えていない。先輩に無理やり連れて行かれた。「いいか、踊り子さんが一巡するまで絶対席を立って出て行ってはいかん。踊り子さんに失礼だ。」本作でも昔の写真を見直し、サラを探すシーンがあったが、ポラロイド写真も多くみられた。そのO先輩は千円払ってポラロイド撮影した。そして、そのあと喫茶店に入り、ストリップ観賞の心構えを熱く語るのであった。私はずっと引き気味だった。それを察したのかどうかはわからないが、そのポラロイド写真をやるという。断れず、仕方なく頂戴した。そのつぎは長崎県の海辺の温泉街だった。釣りが好きな私は携帯ロッドをスーツケースに入れていた。夕食まで二時間ほどあったので、宿の目の前の防波堤で糸を垂れた。カサゴ(九州ではアラカブと言う)がテトラポットから面白いように釣れた。すぐに針が無くなり、近くの釣具屋さんに買いに戻った。釣具屋の店番は小太りの中年のおばさんだった。その晩、O先輩はわたしをストリップに誘った。1ステージ3人出てくる予定。客は二人だけ。全員、中年から高年で、しかも、帝王切開の痕とおぼしきケロイドやあそこにもお産の時の傷とおぼしきアトが生々しい踊り子嬢が・・・二人目はさっき釣具屋でお逢いしたあの方でした。アタシを見るなり、驚いた表情。忘れられません。3人目が出てきたとたんにO先輩は「帰るぞ」「先輩、一巡するまで出てはいけないですよ」「とにかく俺は帰る」振りかえると、ストリップ小屋と釣具屋店は地続きでした。宿に戻った後、痛飮しました。

カールⅢ世
kossyさんのコメント
2020年11月4日

カールⅢ世さん、いつもありがとうございます。
経験不足で申し訳ありません。
機会に恵まれなかっただけです・・・ほんと。
一人じゃ今でもやっぱり行けないです・・・

kossy