「Reunion」トップガン マーヴェリック 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
Reunion
いったいこの人たちは誰とたたかってるんだろうかw。
敵の国も顔も言語も人格もいっさいあらわれない。微かなヒントさえない。敵・脅威を排除する話でありながら相手がさっぱり解らないという怪。
誰からも文句を言われる筋合いのない政治的妥当性(ポリコレ)を構築しつつ、しっかり興奮させ、万人が楽しめる。
(がんらいこの星のどこにアメリカ海軍の敵が存在するのか──という話である。)
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ヒット成因のひとつに同窓会のような雰囲気があるが、Kelly McGillisもMeg Ryanもいないのはなぜかと考えたとき、またAIロボテクス技術で発声するVal Kilmerを見たとき、Reunion要素に、哀しさと残酷さをおぼえた。
が、転じてトムクルーズの若さに畏敬をおぼえた。
ビーチでフットボールに興じる上半身裸のマーヴェリック。──の肉体美。
かれは旧世代に対して「まだやれるぞ」を叫んでいる──かのようだった。
加えて、どうしても旧世代機体で戦うハメにおちいる状況と併せて、ぜんたいとしてマーヴェリックはいやがうえにも世のおっさんたちを奮い立たせる熱い映画になっていたと思う。
ところでimdb8.5、RottenTomatoes96%と99%。
いずれも見たこともないようなべらぼうな高さだった。
物語の支柱はルースター(Miles Teller)との関係性にある「ヒロイックなジレンマ」。
そこへReunion(同窓会)要素と、難易度の高いミッション、旧世代と旧機体の活躍、実体のない敵=ポリコレ配慮などが幸福な相乗効果をもたらし、高い評価点につながったにちがいない。
まったく文句のつけようのない映画だった。