「カッコ良く老いてくれたトムに感謝」トップガン マーヴェリック わら太3世さんの映画レビュー(感想・評価)
カッコ良く老いてくれたトムに感謝
「私生活がクズでも俳優として良い仕事ができれば何も問題はない」という考え方は主に昭和の時代に信奉されたが、現代では受け入れられないカビの生えた古い価値観だろう。どちらかといえばトムは古い価値観に流されてもおかしくない世代だが、ドラッグにおぼれたり女性関係も(全くないことは無いがw)比較的クリーンで決してファンを失望させることが無かった。何より戸田奈津子氏を”日本の母”と慕う彼の子供のように澄んだ笑顔に癒され、大抵のことは許してしまう。
ミッションインポシブルはもちろん、このトップガンもトムクルーズ主演以外はあり得ない、彼の看板作品であり、同時に彼自身も今では少ない主演俳優名で客を呼ぶことができる名アクターとなっているが、正直に言えばいくつかのクソ映画にも主演している。しかし今作トップガンマーベリックは大当たり。見て後悔なし。ロッキー4のように格闘技でオジサンが若い人と渡り合うのは”プロレス感”が出てちょっとしらけるが、飛行機のパイロットなら歳の差を超えられそうなイメージが持てるのも良かった。私は映画館で見ても半分以上は「ああ、これはアマプラで公開されるのを待てばよかった」と思うものだが、本作は間違いなくネットストリーミングではなく映画館で見るべき作品。戦闘機の轟音を映画館の音響で体験すべし。唯一不満を上げるならオリジナル作品のテーマ曲「Take my breath away」が採用されなかったことだが、これを入れてしまうとノスタルジー色が強すぎるかもしれない。その代わりパチンコ屋のテーマ曲と誤解されがち?な「Danger Zone」は入ってるし、過去の栄光にすがらずとも今作はこれで十分面白いのだから。興奮しっぱなしでした。