「すべてはラストシーンの空中戦の為に」トップガン マーヴェリック ヨヨ23さんの映画レビュー(感想・評価)
すべてはラストシーンの空中戦の為に
前作は見ていませんが、それでも十分楽しめました。面白かったです!
と言ってしまうと終わってしまうのでネタバレしない程度に書きます。
序盤から中盤、終盤直前に至るまでの流れは、言ってしまえばラストシーンの為の理由付けに過ぎません。
恥ずかしながら、自分は当初、戦闘機乗りを描いた「軍事物の映画」として観ていました。
なので登場人物達の勝手な行動やエースパイロットらしからぬ人格や個人的な好みでのチーム人選等が結構気がかりで、超迫力の空中戦が繰り広げられる映像を見ても「心の中で粗探しをしながら序中盤を過ごす」というかなり勿体無いことをしていました。(だいたい某オタキングの解説動画のせい)
ですが、ラストシーンの空中戦を目にした時にはそんな思いは吹き飛びました。ものすごく当然ですけど「娯楽映画」でしたよコレ!
ちょっとありえないような設定も、やや強引な物語の流れも、すべてはこのラストシーンを見せたかった為と考えれば納得がいきます。
製作陣もこのラストシーンの空中戦を一番見せたかったのだとわかります。予告にも出ていない予想外の流れだったので意表を突かれました。
星を-0.5してるのはちょっとツッコミどころがある序中盤の部分です。
ですがそれでも実際に戦闘機に乗って撮影したという大迫力の空中戦が合間合間に挟まるので、あまり深く考えなければそう気になりません。
トムクルーズの「映画館のスクリーンを考えながら映画を作った」という発言は冗談でも誇張でもなく、本当にパソコン画面やホームシアターでは絶対に味わえない、大きなスクリーンを持つ映画館だからこその大迫力です。正直この空中戦だけでも見に行く価値があります。
私は一日に2回観ました。同じ映画を同じ日に2回も観たのは初めてです。
流石に2回も観ると、空中戦の臨場感や細かい演技、フラップの動作から空中機動で雲ができるところに至るまで隅々まで味わうことができました。
特にパイロット達の役者の演技なんかは実際に乗っているだけあって見事の一声。
機動のGでパイロットが気を失うシーンもあるんですが、これ本当に本職に振り回されて気絶していたんじゃないかとも思いました。
そしてリアルな空中シーンがあるからこそ、CG戦術モニターの映像やレーダー画像も物語的なチープさを感じさせず、現場の空気をより一層わかりやすく伝えてくれているものになっています。
ステルス等の他の戦闘機映画とは次元が違います。マジリアル。
配信でいいやなんて思っていたら映画館に行かなかったことを絶対後悔します。
2時間がアッと言う間に終わった映画でした。