「"Don't think. Just do it!"」トップガン マーヴェリック けろ教授さんの映画レビュー(感想・評価)
"Don't think. Just do it!"
前作の『トップガン』を観たのは、高校生のころ。もうとっくに記憶が薄れている中で見た本作での人間関係にキョトンとしてしまった・・・。遠い記憶をたどりながら、登場人物たちの人間関係を思い出す。「ああ、そうだった、そうだった。」という感じである。
前作もそうだったが、本作もストーリー展開は強引である。どう考えてもトム・クルーズたちに課された軍事活動は、武力不行使原則に違反する。ロシアによるウクライナ侵略について世界中の人々が心を痛めているこの時代に、これは認められるのだろうか? さらに、後半の展開はもう笑ってしまうぐらい無茶苦茶である。無事に帰還して、「イェー!」と盛り上がっている場合じゃないだろ。リアル世界であんなことしたら戦争が始まってしまう…。トム・クルーズも含めた製作者たちは、いまだにアメリカは何をしても許されると思っているのだろうか?
ただそんな無茶苦茶なストーリー展開はひとまず置いて、戦闘機の飛行映像と音響は素晴らしい。上映開始から始まる「トップガン~賛美の世界~」と「デンジャー・ゾーン」で、おっさんの気持ちはワクワクである。観ていて、聞いていて、本当に楽しい。まさしく トム・クルーズ演じるマーヴェリックが、マイルズ・テーラー演じるルースターに繰り返し語る "Don't think. Just do it!" の世界である。何も考えずに、大きなスクリーンと迫力ある音響で楽しむべきハリウッド映画の典型例ともいえる。
それにしても、字幕は戸田奈津子さんだが、英語を聞きながら「このセリフをこう訳すの?」という感じであった。いわゆる「なっち語」が健在なのを確認した(お達者で何よりですわ)。