「これは「トップガン」ではない。」トップガン マーヴェリック くうちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
これは「トップガン」ではない。
トムクルーズと戦闘機が出てくるトップガンに似た映画だ。
前作「トップガン」はなぜあれほど人気が出たのだろう。それは映画の世界に対する憧れではないだろうか。主人公の天才的な才能とルックスはもちろん、登場人物達の若々しい肉体、汗、プライドのぶつかり合いと友情、死と愛…
青春のごった煮のような映画こそ「トップガン」であった。だからこそ多くの若者が映画を観てパイロットを目指したり、革ジャン着てバイク乗ったりした。
しかし、今作には観た人に憧れを抱かせるものがない。パイロット達の衝突も中途半端だから、そこに生まれる友情も弱い。主人公の葛藤も弱い。そもそも、トップの座を巡って競い合う若者達の話しでもなくなっている。
映像は迫力がある。音楽も最高で鳥肌が立った。前作のオマージュも盛りだくさんだ。ただ、前作のような輝きが感じられなかった。前作からの年月が良くいかされていなかった。観たいのは「老い」ではなく、「経験を積んだ輝き」だった。
この映画に米軍の陰りを見出す人がいる。僕はハリウッドの陰りを感じた。
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