「実演にこだわった❝究極的な映像❞×最新鋭で❝深みのある物語❞により、全てのピースが見事にハマった最高峰の続編!」トップガン マーヴェリック 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
実演にこだわった❝究極的な映像❞×最新鋭で❝深みのある物語❞により、全てのピースが見事にハマった最高峰の続編!
「トップガン」は、1986年に公開し世界的にメガヒットを記録しトム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた伝説的な作品です。
通常のハリウッド映画であれば、すぐに続編が作られたでしょう。しかし、トム・クルーズは「体験」を最重要視し、「すべてを実際に撮影する」と究極的なリアリティーを追求し続けました。
そして、ようやく36年の時を経て、続編となる本作が誕生したのです!
冒頭のカレンダーに書かれた「マッハ9」が象徴的です。これは「音速の9倍の速さ」を意味し「最新鋭の超音速ミサイル」の最高速度級で、「人間や機体に支障が出るような限界レベル」です。
また地球上では、私たちの体に1Gの重力がかかっていますが、急旋回する高速の戦闘機ではスピードが上がる度2G、3Gと上がっていきます。
例えば「10G」の場合は、「自分と同じ体重の人が、9人体重をかけてくる状態」で体が押しつぶされることになります。
「地球に引き寄せられる10倍の力がかかる」と、意識不明になる恐れなど「人間の限界」問題が出てきます。
そのため、もはや「トップガン」で描かれた“超エリート飛行士”は存在の必要性すら危うくなっていて、無人のドローン戦闘機に置き換わりつつある転換点でもあるのです。
象徴的には「トップガン」で一世を風靡した戦闘機「F-14」(トムキャット)も「過去の遺物」となっているのが現実なのです。
このような厳しい環境が本作の舞台であり、人間の限界を超えるレベルの❝実現不可能❞なミッションをトム・クルーズ扮するマーヴェリックが挑んでいきます。
まさに❝トム・クルーズの生き様❞とリンクするような作品で、「ミッション:インポッシブル」のリアル版なのです。
また、前作で最大の出来事は、「相棒グースの事故死」でしょう。
時が経ってもマーヴェリックは相棒グースを常に気にかけています。
このように前作から、今に通じる最新鋭で❝深みのある物語❞となっているのです。
とは言え、緩急の付け方も上手く、笑えるシーンも出てきて人間模様もキチンと描かれています。
実演にこだわった“究極的な映像”は迫力が凄く、まさに「体感」という言葉が相応しい、音響も含め設備が整った映画館での体験が有意義な時間を与えてくれる最高の続編だと思います。