劇場のレビュー・感想・評価
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結論「面白かった!」
班だった模様が少しずつ広がり最後には紙一面を覆い尽くす程、真っ黒に浸食していく。
自分に足りない物を埋めてくれる存在。
その人がいるから、なんとか立っていられる。
それが当たり前になれば、やがてその人は
身の回りを世話してくれる家政婦となり、
病んだ心を癒してくれる人形となる。
壊れたカラクリを無理やり動かした結果、
ネジがはずれ、バラバラになり、気がついた時には元には戻せない状態になっている。
才能がある人とは自分の未熟さや才能の無さを認め、努力を惜しまない人。他者の意見を尊重し、称賛できる人。
もちろん、永田はどちらにも当てはまらない。
本人にもそれは分かっていた。
だから、永田は自分のことをスゴイと言うサキの言動が信じられず、キツく当たったんだろうと容易に推し量ることは出来るが、全くもって許容できる対応とは思えない。
不器用を言い訳に自分を正当化し、多くの人の人生をむちゃくちゃにする。
全く共感出来ないが、教訓を得るには多くの学びがある作品だったと感じた。
【まとめ】
総括すると、タイトル通り「面白かった」の一言です。
136分と長めの作品ですが、体感としては90分くらいの感覚でした。
最後のシーンは見応えがあるので、最後迄見る事をお勧めします。
個人的見解が大いに含まれたレビューになってしまったが、感じ方は人それぞれなので、作品をご覧になってから批評されることを推奨致します。
"淡々とした描写"と"終盤の大仕掛け"のギャップにやられた!
2作目となるピース又吉の小説映画化は、
劇作家として成功を目指す若者の恋と葛藤を描いた青春映画でした!
東京の片隅で出会った一組の男女が共依存に陥り、次第に関係を崩壊させていく様子を描きます。
淡々とした描写と主人公のモノローグを中心に展開するストーリーは、
過剰な演出を排除してるにも関わらず、終始心を捉えて離しません。
また、主人公2人がボロボロになっていく様子を見守るしかできない中盤以降は、
ひらすらに辛くなるシーンのオンパレード。
才能の無さを自覚してるが故に、沙希の優しさを拒絶してしまう永田の気持ちも、
自分と向き合わない永田に冷めていく沙希の気持ちも痛いほど理解できるからこそ、
もう今すぐ別れてくれ…と感じずにはいられませんでした。
でも、自分に自信を持てない2人は依存し合うしかなかったんだろうなあ…と思うと余計切なくなる。
沙希を爆笑させていたネタがもはや通用しなくなる悲しさ、
酒に溺れないと顔を合わすこともできなくなる二人の不和など、
関係の修復は不可能だとしか思えないシーンが連続しますが、
極め付けは、永田が沙希を自転車に乗せて夜道を走る長回しのショット。
詳しくは伏せますが、あんなに痛々しく感じるチャリの2人乗りは見たことありません…
舞台挨拶で山崎賢人が「一番見てほしいシーン」と語るこの場面、ぜひ注目してご覧ください。
彼については、漫画の実写化をコンスタントにこなす俳優というイメージが強かったのですが、
今作での渾身の演技を見せられたら、認識を改めなければいけません。
これからも素晴らしい演技を沢山見せてくれると思うと今からワクワクしています。
松岡茉優に関しては演技力を今更褒める必要もないと思うので、個人的にたまらなかったポイントを幾つか。
悲しみを取り繕った時の乾いた笑い声、
胸中を明かす時の、力のこもった低い声、
泥酔した状態で繰り出すエセ関西弁など、
ストーリーに関係なく、彼女の演技そのものを堪能したくなる場面にあふれていました。
最後に言及したいのは、終盤のあの「劇場」シーン。
メタ構造を使って過去との訣別を表現する一連の演出には心底驚きました。
タイトルの意味がここで活きてくるのか!と感心させられること間違いなし。
衝突を繰り返した過去を乗り越え、未来に向けて進み出した2人の今後に幸あれ、
と願わずにはいられませんでした。
終盤のメタ構造を最大限楽しむためには、映画館での鑑賞がベスト。
自分はアマプラで見たことを少し後悔してます…
劇団仲間として永田を支える寛一郎(佐藤浩市の息子とは知らなかった!)や、天才肌のチョイ役を演じるKing Gnu井口理も要チェック!
下北沢舞台が良いね!
夢追い人を支える者へ
個人評価:4.1
夢追い人の物語をとても深く丁寧に描いている。非常に邦画らしい作風で、この手のジャンルでは、頭ひとつ出ている作品だ。前作の火花同様に夢を追う若者をテーマに、誰もが少なからず自分と重ねる事ができ、また人生を生きる上で大事な、普遍的な部分を描いてると感じる。
一コマ一コマの会話がとてもリアルで、少ない会話のやり取りだけで、登場人物の性格や心情を上手く捉えている。まるで原作者の実体験をいくつも書き留め、それを物語に組み込んだ様なリアルな会話劇だ。
主役の2人の演技も素晴らしく、しっかりと物語の世界に生きてる2人だった。
夢を追う者を支える人の心情の描き方が、他作のそれとは異なり、原作者の物語を作る上でのセンスと繊細さが感じられる。
又吉直樹という作家は、自分の内なる伝えたいテーマをしっかり持ち、それをカタチにできる数少ない人だと感じる。
Amazon primeで観た。 原作を読んでないので映画との違い...
テンポの悪さが生み出す世界観
最後に涙するとは思わなかった
原作をもう一度読みたくなる
良作
とても切ないラブストーリー
語りのセリフは又吉の原作通りに冒頓としているというか、ちょっと文学っぽいセリフが、まず掴まれました。
だんだん出会い、二人が付き合っていく中で、それぞれの思いがある中、打ち解けていけない切なさが出てきて、すれ違い、そして空回りしていくストーリーに、とてももどかしさを感じてしまいました。
同じ方向に向かっていく様にいけばと思ってみていましたが、やはり現実には難しいもの。
その切なさ感というか、ハラハラ感というのを持ちつつ、エンディングに進んでいきます。
ラストシーンは、たぶん小説では端的な展開だったのではないかと想像しますが、
ここは映像のチカラ、映画のチカラで、私は「おーお、こう来るか。。」と驚きとやられた感があります。
一方の思いだけでなく、もう一方の気持ちも感じ、それらが成熟しないもどかしさ感がこの映画の醍醐味でしょう。それが感じられれば、この映画はとても面白いと思います。
お勧めします。
作品が、というより
駄目男が最高の彼女に謝罪させる駄目物語
ダラダラとした展開。 ただ、ラストのみ多少の感動はある。 しかし、...
聞きたくなさ過ぎ病
友人と二人で立ち上げた小さな劇団で、脚本兼演出家をする男と、町で偶然知り合った女優志望で上京し服飾学校に通う女の話。
自分を客観的にみているようで、前衛的を勘違いしていると指摘され感情を剥き出しにしてしまったり、人からの評価を気にするあまりに毒を吐いたりする男。
彼に対して徹底的に甘い彼女に甘え、彼女の家に転がり込み、好き勝手な行動や態度を積み重ねていく様子はヒモのようであり、彼女をどう思っているのか…主人公の思想は同じ男だけど理解出来ないし、彼を甘やかす彼女はもっと理解に苦しむ。
稼ぎたい、認められたい、表現したい、何を優先するのか。
主人公の自分語りでみせるバリバリの恋愛映画で、「まだ死んでないよ」から、ちょっと変わって行く感じも見え隠れするけれど、自分が弱いこと、ダメなことが判っているのに、為るようにしか為れない、何も為せない悲しさは伝わってきたかな。
彼はこの彼女と一緒にいたら、繰り返すだろうなぁ。
松岡茉優がいい
クズ男とマリア
しちめんどくさいクズ男と、気立ての良い聖母マリアの物語。
明るさも爽快さもない、陰鬱で淡々とした日々。その中で笑っている松岡茉優が天使だ。
又吉直樹ワールドで、卑屈になったり嫉妬したり全体のトーンが暗ければ暗いほどコントラストとして松岡茉優が純白な天使に見えてくる。
松岡茉優がほんとに可愛い。松岡茉優を愛でるためだけに、観てもいいと思う。
そして、山崎賢人はボサボサ頭で無精髭で身をやつしても漏れ出てしまう色気がある。
小説が原作なのでひたすら主人公の独白が続く。
自転車に二人乗りして桜を観に行くシーンが良かった。
また、劇中劇の演劇が良い意味で下北沢演劇にありがちで、いいとこを突いていた。
夢の終わりが訪れてもまだまだ終わりたくない。幕よ永遠に降りるな!
そんな思いが感じられて切なかった。
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