劇場公開日 2021年9月11日

ミッドナイト・トラベラーのレビュー・感想・評価

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4.0長女が歌うマイケル・ジャクソンの『They Don't Care About Us』に監督の意図が重なる

2021年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

本作については当サイトの新作評論に寄稿したので、ここでは補足的な観点で書いてみたい。

まず、この「ミッドナイト・トラベラー」が3台のスマホで撮影されたことが強調されているけれど、映像記録デバイスとしてだけでなく、支援者との連絡、情報収集、それに子供たちのエンタメ(遊びや気晴らし)の道具としてスマホが大いに役立っていることも見逃せない。映像は最終的に300時間にも及んだそうだが、ハッサン・ファジリ監督はSDカードに記録した映像データを各国の協力者を介して米国のプロデューサーに送り、データ到着を確認した後にカードのメモリを消去してまた撮影していったという。ブロードバンド回線など望むべくもない過酷な旅でも、スマホとモバイル回線が使えて支援者がいればこんな映像製作が成立するという好例だろう。

長女ナルギスが難民キャンプ内の狭い部屋で、スマホで再生するマイケル・ジャクソンの『Black Or White』と『They Don't Care About Us』のPVに合わせて歌い踊るシーンがある。どちらも差別される側、存在を無視される側からの視点で訴える歌だが、監督はこの2曲の場面を入れることで、イスラム教徒の側面もあるアフガニスタン難民が移動先の外国で受ける扱いを重ねたのだろう。

「奴らは俺たちのことなんか気にしない」とマイケルは歌う。国際社会は、そして私たち一人ひとりは、難民のことを気にかけているだろうか。そんな問いかけが込められているように思う。

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高森 郁哉

3.5A Family's Journey to the Edge of Hell

2021年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

I often ponder what my purpose in life is, but I seldom take the time to acknowledge that for an entire region of people on this planet, an immediate concern is finding a home with running water that isn't getting artillery shelled. Midnight Traveler is the smartphone-told tale of a filmmaker's escape from the Taliban to Europe. Perhaps the best film showing the crisis from the inside out.

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Dan Knighton

5.0MJの曲に合わせて踊る少女の姿に吐くほど泣かされました

よねさん
2021年9月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

アフガニスタンの映像作家ハッサン・ファジリは国営放送向けにドキュメンタリー番組を制作するがその内容がタリバンの逆鱗に触れ番組に出演した男性は殺害され、ハッサンには死刑宣告が出される。ハッサンは妻と娘2人を守るため自分達を受け入れてくれる国を求めてアフガニスタンを後にする。その5600キロに及ぶ旅と転々と移り住む移民キャンプでの日々を3台のスマホだけで撮影したドキュメンタリー。

タジキスタン、トルコ、ブルガリア、セルビア、ハンガリー・・・難民として公式に受け入れられないがために密入国を繰り返さなければならない凄惨な毎日。同じ境遇の人達と協力しながら次々と窮地を潜り抜けていくが、そんな彼らが持つ現金を根こそぎ奪おうとする密入国斡旋業者、難民達を敵視する民族主義者の市民、冷たい対応で難民を追い払う役人や警官といった魑魅魍魎達が跋扈する世界を捉えた映像は生々しく残酷ですが、そんな地獄のような毎日でも笑顔を振り撒く姉妹ナルギスとザフラの可愛らしさがとにかく印象的。無邪気にはしゃぎ回る姿、疲れ果てて爆睡する姿、退屈過ぎて思わず涙を流す姿、恐怖に手足を震わせる姿、そのどれもが愛おしくて自身の娘の幼い頃を思い出してしまい何度も涙がこぼれました。特に印象的だったのはマイケル・ジャクソンの動画を見ながら無心にダンスをするナルギス。その曲がよりによってBlack or WhiteとThey Don’t Care about Usなので微笑ましいシーンのはずなのに吐くほど泣きました。

ちょっとしたきっかけで始まる夫婦喧嘩や物凄く深刻な事態であるにも関わらずその現場に立ち会って撮影していることに激しく興奮する自分に気づいて激しい自己嫌悪に駆られる様までも赤裸々に捉えた映像の数々は実に辛辣なメッセージを湛えている一方でラブレターのように甘酸っぱいところもあって自身も映画監督であるファティマが時折見せる少女のような笑顔もとてもキュートです。夫婦だけでなく姉妹も撮影テクニックを習得しているそうで、随所に挿入されるリリカルで抒情的な映像も息を呑むほど美しく、終幕に現れるテロップが刻む現実の厳しさとのコントラストに胸が引き裂かれる衝撃的な87分間でした。

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よね

4.0タイトルなし

ouosouさん
2021年9月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ここでの「退屈」は重い。「なんで生きるの?」ってことだから。

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ouosou

4.0逃亡の道行

2021年9月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

幸せ

安住の地を求めてひたすら北を目指す一家の気の遠くなるような旅

小舟で地中海を渡るアフリカの人々 アメリカ国境地帯を彷徨うメキシコの経済難民 敗戦時の満州引き揚げ

生き残りを賭けた行動とはいえ故郷を捨てざるを得ないその哀しみ

慎重且つ大胆な決断 そして僅かな運 先の見えない苦難の一部始終を追体験する

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労働4号

4.0They don’t care about us

I am R.さん
2021年9月17日
iPhoneアプリから投稿

を踊りながら歌う娘さんのシーンがとても印象的で間違いなく名シーン。
安田純平さんのお話も聞けて(もっと聞きたかった)
本当に観て良かった作品。
無関係だとは思ってないけど、わたしたちに出来ることってなにかあるのかな。

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I am R.

4.0リアルな難民の移動

2021年9月14日
iPhoneアプリから投稿

スマホで撮る雑然とした映像だからこそ生々しい。

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Oyster Boy

3.0監督が主人公

かんさん
2021年9月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

スマホのドキュメンタリー
今話題のタリバン、アフガニスタンでの精一杯の行動。
ところで、今のコロナ大丈夫かなぁ~
ヤバいですよね。

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かん

4.0難民自身が実際の行動を内側から─

SHさん
2021年9月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

正直、決してきれいな映像でもないし楽しいものでもない。作品の大部分は記録を淡々と並べているだけで、鑑賞するには相当な集中力を要する。
しかし、こうして実体験をダイレクトに見せつけられると、どんな情報・報道・ジャーナリズムよりもリアルであり、今まさに話題になっているアフガンとかタリバンのことについても、ホント表層的なことしか理解していないような・・・という思いに─
確かにマスメディアなくしては難民一人一人の真実など知る由もないとは思うけれど、そこで伝いきれないものとか、果たして嘘偽りがないのかとか、世に飛び交う情報を自分自身で判断する材料がめちゃくちゃ増えるような気がするので、こういったスマホで撮った作品のパワーを痛感します。
難しい映画だと思うので、見る前に、不安定の中で記録し続けている苦労と誰が誰を撮っているかということを想像しながら鑑賞すると、作品への興味がなぐっと高まると思います。

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SH

2.5ストーリーとしては理解できるが、映像としては、それほど重要な要素は見当たらない。

caduceusさん
2021年9月11日
Androidアプリから投稿

アフガニスタンのドキュメンタリー映画を作った監督が、タリバンに命を狙われたが、タリバンに転身していた親友から命を狙われているから逃げろと言われ、国外へ脱出するというストーリー。
その様子をスマホで撮り続けた訳だが、映像としては、それほどのものは見当たらない。
野宿をしたり、難民キャンプに身を寄せたりしながら、家族で国を転々とするのだが、移民を排斥する国もあり、落ち着きどころはなかなか見つからない。
確かに、日本にいる我々は何も口は挟めないが、ナレーションを付けて、ニュース映像にすれば、三十分程度の内容だろう。
難民となった家族の物語として観たほうが、しっくりくる作品かもしれない。

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caduceus

3.5倫理上撮り得ない映像

花火さん
2019年10月8日
Androidアプリから投稿

アバンタイトルとして、ソニーの古い家庭用カメラで撮ったとおぼしき家族のプライベートフィルムが挿入される。以降はそうした安らぎとは無縁の映像が続き、冒頭のあれは宙吊りにされ何だったのかと思うのだが、比較的安全なセルビアの難民キャンプでのクリスマスに撮られた家族の雪合戦や花火の場面で、ここと対応していたのかと幾ばくかの感慨を呼び起こす。
とはいえこの映画で一番重要なのは、スマートフォンによってあらゆる状況で映像を撮られるように見える現在にあっても、撮られない/撮り得ない映像もまた存在するのだということだと思う。セルビアで一家を襲う難民排斥派による暴力、娘が行方不明になった際に父親=監督の聞こえたカメラを回せという悪魔の囁き、それらを告げるナレーションは、ひょっとすると流転の家族の悲劇以上に、安全地帯で映画を観る観客を突き刺すのかもしれない。

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花火
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